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平成31年(2019年)より、地価公示価格の鑑定評価書が公開される様になった。
東京の事務所ビルとして最高の地域にある地価公示地千代田5-2(東京都千代田区丸の内2-4-1) は、東京駅皇居側駅前広場に接面する丸ビル土地が地価公示地となっている。
その土地の令和5年1月1日の地価公示価格は、u当り3670万円である。
設定公示地の収益価格を求めるために、その土地に鉄骨造36階建(地下4階)延床面積165,143.00uのビルが想定されている。
各階の用途は、下記である。
地下2〜4階 駐車場
地下1階 店舗
地上1〜6階 店舗
地上7〜34階 事務所
地上35〜36階 店舗
レンタブル比は、54.2%若しくは54.3%である。
上記用途の賃料が設定されて、収益価格が求められている。
地価公示価格は、2人の不動産鑑定士によって求められており、その2人の地価公示価格の鑑定書は公開されている。2つの鑑定書をA鑑定、B鑑定とする。
鑑定書が公開された平成31年〜令和5年までの収益価格に採用された賃料一覧は、下記である。
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平成31年
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令和2年
|
令和3年
|
令和4年
|
令和5年
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A鑑定
|
|
|
|
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|
延床面積 u
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165143.00
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165143.00
|
165143.00
|
165143.00
|
165143.00
|
有効面積 u
|
89566.04
|
89566.04
|
89592.14
|
89566.04
|
89566.04
|
月額支払賃料 円
|
1317815184
|
1317815184
|
1337164346
|
1273488364
|
1246408752
|
u当り単価 円
|
14713
|
14713
|
14925
|
14218
|
13916
|
坪当り単価 円
|
48638
|
48638
|
49339
|
47002
|
46003
|
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|
|
|
|
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|
|
|
|
|
B鑑定
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|
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延床面積 u
|
165143.00
|
165143.00
|
165143.00
|
165143.00
|
165143.00
|
有効面積 u
|
89592.14
|
89592.14
|
89566.04
|
89566.04
|
89566.04
|
月額支払賃料 円
|
1323531116
|
1345205240
|
1311495984
|
1300969392
|
1287571784
|
u当り単価 円
|
14773
|
15015
|
14643
|
14525
|
14376
|
坪当り単価 円
|
48836
|
49636
|
48407
|
48016
|
47524
|
|
|
|
|
|
|
平均坪当り賃料 円
|
48737
|
49137
|
48873
|
47509
|
46764
|
u当り賃料は、月額賃料を有効賃貸面積で除して求める。坪当り賃料はu当り賃料に3.30578を乗じて求める。平均賃料はA鑑定、B鑑定を足して2で割った平均賃料である。
A鑑定、B鑑定の平均賃料は、坪当り賃料で、
平成31年 48,737円
令和2年 49,137円
令和3年 48,873円
令和4年 47,509円
令和5年 46,764円
である。
令和2年の坪当り49,137円が最高賃料である。
三菱地所が3月決算期ごとに丸の内地区の賃貸状況を発表している。そのデータから分析された賃料は、私の鑑定コラムに発表されている。
2023年3月期の賃料は鑑定コラム2593)に記されている。令和5年(2023年3月期)は、坪当り40,853円(u当り12,358円)である。
令和5年の千代田5-2の地価公示価格の収益還元法採用の賃料は、坪当り46,764円である。
三菱地所の2023年3月期の丸の内地区賃貸ビルの平均賃料は、 40,853円である。
地価公示地千代田5-2の収益価格分析に採用した賃料は、三菱地所の丸の内地区平均ビル賃料に対して、
46,764円÷ 40,853円=1.14
である。
平成31年3月期からの丸の内地区の賃料を記すと下記である。( )内は地価公示地千代田5-2の収益価格分析に採用した賃料比(地価公示収益価格の賃料÷三菱地所丸の内地区のビル賃料)の値である。
平成31年 37,732円(1.29)
令和2年 38,569円(1.27)
令和3年 39,451円(1.24)
令和4年 40,195円(1.18)
令和5年 40,853円(1.14)
千代田5-2の地価公示地は、皇居側東京駅前広場に面する丸の内地区にあっても一等地の場所にある地価公示地である。
その場所にあるビル賃料が丸の内地区の平均ビル賃料の1.14倍の賃料とは、いささか安すぎるのでは無かろうか。
日本経済新聞社が調査して、2023年5月5日の日本経済新聞に発表している2023年5月の東京オフイスビル賃料の「丸の内〜大手町」の賃料は、既存ビルで坪当り33,000円〜58,000円である。ゾーンの高値賃料は5.8万円/坪である。
丸ビルは丸の内地区の一等地にあり、日経新聞のゾーン高値の5.8万円/坪の数値の該当するビル賃料では無かろうか。 丸ビルで無かったらどのビルが該当することになるのか。
そのビル賃料が、地価公示価格の収益価格算定では、坪当り4.67万円と設定している。しかもその賃料は、丸の内地区の平均賃料の14%アップ程度の賃料である。安すぎるではなかろうか。
地価公示価格の収益価格の設定賃料であるから安くても良いという論理は通らないであろう。
鑑定コラム2593)「丸の内地区のビル賃料はu当り12,358円(2023年3月)、過去最高」
鑑定コラム2597)「丸ビルの賃料は坪6万6千円 2023年3月」
鑑定コラム2599)「田原分析丸ビル賃料 地価公示丸ビル賃料 日経丸の内ゾーン高値賃料」
鑑定コラム2618)「鵜野和夫先生の訃報、お別れ会への記事アクセスが上位に 令和5年7月1日アクセス統計」
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