2006年3月15日の日本経済新聞の夕刊は、すかいらーくが関西のファミリーレストラン112店舗を経営するトマトアンドアソシエイツを買収することを報じた。
同新聞夕刊は、買収価格は約17億円で、トマトアンドアソシエイツ社の売上高は150億円と報じる。
17億円で年間売上高150億円のレストランを買収するとは、随分と安い買い物では無いのかと私は思った。
投下資本に対する売上高の倍率は、
150億円÷17億円≒8.8倍
である。
こんなに安く買収出来るのかといぶかった。
そしてこれは売上高では企業価値の評価は出来ないと判断し、取得価格約17億円からトマトアンドアソシエイツ社の営業利益を推定し、取得価格の妥当性を考えて見ることにした。
レストランの投下資本の回収を7年とする。
すかいらーくの経営者は、レストランという業種を考えれば、投下資本の回収期間を10年という長い回収期間を考えて買収はしないであろう。5年でも良いが、そうすると売却する方が拒否する可能性が高い。中をとって7年位では無かろうかと私は推定した。
年間の投下資本回収額、即ち営業利益は、投下資本は17億円であるから、
17億円÷7≒2.43億円
である。トマトアンドアソシエイツ社の営業利益を2.43億円と推定する。
営業利益率は、
2.43億円÷150億円≒0.016
1.6%である。いささか利益率は低い。低すぎる。
日経夕刊は、すかいらーくのトマトアンドアソシエイツ社の買収の正式発表は3月15日の夕方と報じるから、夕刊の記事は正式発表前の数値であるから変動があるかもしれないと思い、翌日の16日になって、すかいらーくのホームページを開きプレスリリース記事を見た。
すかいらーくのホームページのプレスリリース記事は次のごとくであった。
トマトアンドアソシエイツ社の全株式購入価格は1,663百万円であった。
トマトアンドアソシエイツ社の売上高等は下記の通りであった。
平成16年9月期 平成17年9月期 売上高 8,018百万円 8,245百万円 売上総利益 4,880百万円 5,014百万円 営業利益 227百万円 224百万円 総資産 6,022百万円 5,390百万円