制御機器メーカーのオムロンが、東京本社の土地建物を森ビルを買主にして信託受益権での売買を行った。(2006年4月26日、オムロン、森ビルHPプレスリリース)
オムロンは、京都に本社のある昔の立石電機製作所のことである。
体温計のオムロンとしても知られている。
現在は光センサー等の制御機器製造会社であり、鉄道駅等の自動改札機、自動券売機などを作っている企業でもある。
私にとっては、「オムロン」というより「立石電機」という会社名の方が親しみがある。
そして京都の企業御三家のイメージとしての記憶の方も強い。島津製作所・京都セラミックス(京セラ)そして立石電機である。
オムロンは東京本社の土地建物を手放した。しかしそのまま賃借して使用するという。リースバックである。
譲渡価格は両者のホムページによれば、約127億円という。
土地1282平方メートル、建物7554.61平方メートルである。
信託受益権の買主は森ビルである。東京の新名所の一つになりつつある「六本木ヒルズ」を造った不動産会社である。
虎ノ門を中心にして、ビルの上に「第**森ビル」の看板を掲げてやたらにその名前が目に付くビルを所有する会社である。
「森ビル」と「森トラスト」と云うのがあるようで、どのビルが森ビル経営のもので、どのビルが森トラストが経営しているビルなのか、外部からはさっぱり分からない。
森ビルは、企業の経営方針として土地の自己所有をしない会社と私は思っていたが、オムロンの所有土地建物を購入したことを見ると、自ら土地取得する場合もあるようだ。
オムロンは、今迄自己所有で自己使用していた東京本社をリースバックとして使用することになる。それは経営の合理化策によるものと思われるが、今迄の感覚での事務所使用とは違うことを、はっきりと社員一同自覚しなければならない。
これからは使用の対価として「賃料」を支払わなければならない。
「たかが賃料」と、賃料を小馬鹿にしていたら痛い目に遭う。
それは利益が出ようが、赤字になろうが、経費として切り詰めることが出来なく、確実に支払わなければならない費用である。
経費で出て行くということは、前期と同じ営業利益を上げていても、賃料分だけ営業利益は減少することになる。
前期の営業利益を確保するには、賃料の支出相当の経費削減の必要が生ずることになる。
支払賃料は、既に両当事者間で決定されているであろうし、第3者がその内容を知る術を持たないが、虎ノ門2・3丁目の既存貸事務所の面積150平方メートル以上の募集賃料より推定する。
募集賃料として次のものがある。
所在 | 虎ノ門駅距離 | 面積u | 坪当り円 |
虎ノ門2丁目 | 徒歩2分 | 170 | 11600 |
虎ノ門2丁目 | 徒歩4分 | 220 | 18900 |
虎ノ門3丁目 | 徒歩7分 | 250 | 18900 |
虎ノ門2丁目 | 徒歩2分 | 230 | 24200 |
虎ノ門2丁目 | 徒歩2分 | 410 | 21000 |
虎ノ門2丁目 | 徒歩5分 | 220 | 15800 |
虎ノ門2丁目 | 徒歩7分 | 270 | 14700 |
虎ノ門3丁目 | 徒歩2分 | 540 | 24200 |
平均 | 18663 | ||
標準偏差 | 4193 |
17年3月期 18年3月期 売上高 3362.71億円 3120.72億円 販管費 1120.54億円 1093.79億円
17年3月期 33.3% 18年3月期 35.0%である。