神奈川を地盤とする日用雑貨量販店のダイクマ(従業員1065人)を、家電量販店のヤマダ電機が買収した。(日経2002.5.8)
買収価格は約168億円という。売上高は1143億円(2001年2月期)である。
投下資本に対する売上高倍率は、
1143億円÷168億円=6.8倍
である。
規模の小さいスーパーマーケット(平均従業員80人)の固定資産回転率は、8.6回転である。
コンビニエンスストアの固定資産回転率は26倍程度であるから、小売りマーケット店舗は規模が大きくなるに従って回転率が落ちていくのであろうか。
買収する側のヤマダ電機の固定資産回転率は、2001年3月期決算書によれば、
売上高 455,336,448千円
固定資産額 76,427,605千円
であるから、
455,336,448千円÷76,427,605千円=5.95回転≒6.0回転
である。
ヤマダ電機の財務諸表によって考えれば、自己の固定資産回転率以下の5回転等で購入することはしないであろう。
投下資本を固定資産とみなせば、買収価格は6.8回転に相当する。少し買得であるが、妥当な売買価格ということになる。
このデータ分析から考えると、大規模量販店の投下資本に対する売上高倍率は、7倍程度ということか。
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JR山手線の駅の一つに「秋葉原」という駅がある。
総武線が交差する駅でもある。秋葉原の電機店街の乗降駅でもある。
その駅への乗降口を持ち、駅舎と一緒になっている古い百貨店建物がある。
「アキハバラデパート」と呼ばれる小売店舗の中層建物である。
この「アキハバラデパート」をJR東日本が7億円で取得するという。(日経2002.3.1)
このデパートの年間売上高は45億円である。
投下資本に対する売上高倍率は、
45億円÷7億円=6.42倍
である。なんだか7倍の数値に近くなる。
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ダイクマは売上高の1%を毎年、経営指導料としてイトーヨーカドーに支払っていた。(日経2002.4.29)
これは経営に配分される利益の把握に、大変貴重なデータになるのではなかろうか。
家電量販店のコラム記事として下記のものがあります。
鑑定コラム208)
コジマ『NEW小山店』の家賃は坪当たり2800円か
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