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平成19年度産米(2007年産の新米) が、米市場に出て来た。
日本コメ市場株式会社が、平成19年9月3日付の同社ホームページに、平成19年8月23日に入札された平成19年度産米の上場価格と成約価格を発表した。
それによると平成19年度産米の成約価格は、
平成19年産米 茨城あきたこまち 1俵当り13,210円
平成19年産米 千葉ふさおとめ 1俵当り13,005円
である。
同時に行われた平成18年度産米の成約価格は、
平成18年産米 宮城ひとめぼれ 1俵当り14,500円
平成18年産米 秋田こまち 1俵当り14,424円
平成18年産米 新潟一般コシヒカリ 1俵当り17,190円
である。
新潟産米コシヒカリが、18年産米ながら、19年産米の茨城あきたこまちより、1俵当り約4000円高い。これが新潟産米コシヒカリのブランドであり、4000円がブランドの価格と言うことになる。
ブランドの価格の割合は、
17,190円÷13,210円≒1.30
である。
30%高がブランドの価格割合と言うことである。
米の卸価格を論じて、それが不動産価格とどういう関係があるのか。それらが何の役に立つのかと思われるかもしれない。
しかし、それが大いに関係があり、必要なのである。
米の価格は不動産の価格、還元利回り、そして地代利回りに密接に関係していることから、米の価格を取り上げたのである。
九州のある市の標準小作料一覧を入手した。
田畑の小作料は下記の通りである。
上田 10アール当り20,000円
中田 10アール当り14,000円
下田 10アール当り 7,000円
畑 10アール当り 7,000円
上記小作料は月額ではない。年額である。
その小作料の説明書によれば、上田とは10アール当り510kg程度の収穫量の見込まれる水田を言う。
中田とは10アール当り470kg程度の収穫量の見込まれる水田を言う。
下田とは10アール当り410kg程度の収穫量の見込まれる水田を言う。
畑は下田と同じ小作料である。このことから考えれば、畑は下田相当の収穫量と考えて良いであろう。
米1俵は60kgを言う。
10アールとは一反の面積を言う。
このことから各品等の田の収穫量を俵に換算すれば、次のごとくである。
上田は、
510kg÷60=8.5俵
中田は、
470kg÷60=7.8俵
下田は、
410kg÷60=6.8俵
となる。
即ち、上田は反当り8.5俵のとれる田、中田は反当り7.8俵のとれる田、下田は反当り6.8俵のとれる田という区分である。
ここで九州の米の価格は、関東早場米の価格と同じとする。一俵(60kg)13,200円とする。
中田の反当りの収穫量を金額に換算すると、
13,200円×7.8俵=102,960円
ということになる。
小作料は中田で14,000円である。
米の売上高に対する小作料の占める割合は、
14,000÷102,960円≒0.136
である。
小作料は中田では、米の売上高の13.6%と言うことになる。
米を作るのを止め、田を埋め戻してアパートを建てて他人に貸して得られる家賃収入を、土地からの収穫に置き換えて考えれば、小作料を地代と置き換えて考えることが出来る。
地代は家賃の13.6%が妥当な水準と言うことが出来る。
一方、田の価格と米の収穫量(売上高)を考える。
田の価格を反当り100万円とすれば、粗利回りは、
102,960÷1,000,000円=0.103
10.3%ということになる。
必要諸経費を65%とすれば、
0.103×(1−0.65)=0.036≒0.04
4%が田の還元利回りと言うことになる。
この4%という数値が不動産の還元利回りの発生の基本と私は考える。
小作料の田価格に対する利回りは、
14,000円÷1,000,000円=0.014
1.4%が小作料の利回りである。
これを前記の家賃と地代の関係で述べたと同じく、田の価格を土地価格、小作料を地代と考えるとすれば、地代の利回りは1.4%が基本と言うことになる。
農耕民族・社会がベースであった日本にあっては、米の生産力が、不動産価格、不動産利回りの根源にあると、私は考える。
田の利回り等については、下記の鑑定コラムがあります。
鑑定コラム41)「田の還元利回り4.2%」
鑑定コラム882)「北海道15.1%、新潟7.9%、滋賀4.1%、熊本4.4%(田の利回り)」
鑑定コラム974)「平成24年産米は3〜20%アップ」
鑑定コラム1276)「魚沼産コシヒカリが2万円を切った」
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