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東証株価が一高一低を繰り返しながら、下がり傾向にある。
2008年3月5日の日本経済新聞は、前日の東証一部上場の業種の中で、業種別日経平均株価の下落率トップは、不動産業の3.9%と報じる。
不動産業の3月4日の日経平均株価は、下記の通りである。
不動産業種平均株価 1,509.76円
下落幅 ▲ 60.99円
下落率 ▲ 3.9%
日経の経済記者は専門家以上の知識を持っており、その下落理由は分かっているであろうが、あえて記者のコメントを載せず、外部の専門家にどうして不動産業種が最大下落率となったのかのコメントを求めている。
この日経の手早い対応には恐れ入る。
またそれに的確なコメントをする人がいるのにも恐れ入る。
コメントは、第一生命経済研究所の嶌峰清首席エコノミストが次のごとく述べている。
「日本の不動産市場へ向かう資金が細る可能性がある。国内のマンション販売も厳しく、割安感以外に格別の材料は見あたらない」
とコメントする。
即ち、
1.日本の不動産市場への資金が減る
2.国内のマンション販売が厳しい
と云うことが、不動産業種の平均株価下落1位になった原因では無いかと、嶌峰清氏は云う。
1年前の3月の今頃はどうで有ったろうか。
1年前の2007年3月は、3月末に発表される地価公示価格が高い価格となることが予測されるとして、不動産ファンドや外資による土地取得融資を絡めて地価上昇をはやし立て、不動産会社の株価は上昇傾向に有ったのでは無かったか。
2007年3月2日(金)の日本経済新聞では、不動産業の日経平均株価は、下記の通りである。
不動産業種平均株価 2,864.32円
そして解説記事として、3月末に発表される地価公示価格の上昇を見込んでか或いは期待からか、「海外勢の買いが先行、三菱地所や三井不動産などが上場来高値を更新」したと報じる。
2007年1月1日現在の地価公示価格が発表された2007年3月23日(金)の日経は、前日の不動産業種平均株価を、
2,936.61円
と不動産業種の高い価格を表示している。
そして解説記事として専門家の意見も載せて、「地価は中長期的な上昇が続くとの期待が高い」と報じる。
さて、今年の3月末に2008年の地価公示価格が発表される。
都心の地価は昨年2007年8月頃から下落傾向に入っているのであるが、地価公示価格は、都心地価の下落傾向などは調査の時間的手続の制約などもあって反映しがたく、昨年からの価格上昇傾向を受けて地価上昇の数値が発表されるのではなかろうかと私には思われる。
昨年はあれほど地価公示価格が高く発表されるであろうと予測して不動産業種の株価が買われたが、1年経った今年は、そのような話は一向に聞かない。
一体どうした事であろうか。
その理由は、不動産業種の日経平均株価を見れば、自ずからわかるということか。
不動産業種の日経平均株価は、
2007年3月22日 2,936.61円
2008年3月04日 1,509.76円
である。
1年間の株価下落率は、
1,509.76円÷2,936.61円≒0.514
である。
土地・マンション等の不動産価格を見るとき、或いは考える時には、この数値を冷静に見る必要が有ろう。
上記記事に関係する鑑定コラムは、下記に有ります。
鑑定コラム414)「2007年8月から外国人の株式の売り越し額4.7兆円」
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