○鑑定コラム
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国内銀行の不動産業への新規貸出額が、3ヶ月前に較べて1.2兆円という巨額の金額が減少した。
日本銀行が、2008年8月8日に発表した国内銀行の産業別新規貸出額を見ると、不動産業への新規貸出額は、下記の通りである。
2008年1月〜3月 30,365億円
2008年4月〜6月 18,122億円
2008年4月〜6月の不動産業への新規貸出額は、1.8兆円である。
その3ヶ月前の1月〜3月は3.0兆円であるから、4〜6月は1.2兆円の貸出減である。
これだけの巨額の金額の貸出減が行われれば、それまで我が世の春を謳歌していた不動産ファンド会社の資金繰りが困ってくるのは当然であろう。
サブプライムローン問題をきっかけにして、外資は本国の台所事情が慌ただしくなり、一斉に日本の不動産融資を引き上げてしまった。その後釜の融資を日本の銀行が引き受けなかった。
それは融資の危険を肌で感じたからである。新規貸出額の25%が不動産業への融資という貸出は、いくら金融自由主義の社会とはいえ、異常な融資状態であろう。
日本の銀行も外資が引き揚げて、ようやく、不動産業への過大融資に気づく。そして一斉に手を引く。これが全く日本人としての考え方の同質性をさらけ出す。
貸出を厳しくし始めたどころでなく、貸出を止め、融資を引き上げ始めてしまった。それが1.2兆円の貸出減という数字の結果である。
この結果何が生じたのか。
東京の土地価格の暴落である。
5億円の土地が2.2億円でも売れない事態が出現してきた。
5億円の土地が2.2億円で買えるならば不動産業者は買いたい。
しかし、その購入する金額を銀行が不動産業者に融資しない。
結局、5億円の土地は2.2億円でも売れなく、そのまま依然として「売地」の看板を風に晒していることになる。
1.2兆円と云う巨額の金額が3ヶ月で貸出減額されたということは、かなり多くの不動産ファンド等が急に追加融資を銀行に断られ、資金繰りに困った事になる。
資金繰りに困った不動産ファンドは、所有不動産の売却価格を下げつつ売り切ろうとするが、買う人がいない。
いずれ行き詰まり、倒産に追い込まれるファンド会社等も多く出てくるのでは無かろうか。その所有不動産が大量に残されて。
こうして現在の東京の土地価格は暴落している。
土地購入を全額現金で買うことが出来る人にとって、ここしばらくは良い不動産を手に入れようとするには、安く購入出来る絶好の機会であると私は思う。
しかし、土地価格の大幅下落で銀行の不良債権が再び増えなければ良いが。銀行はいつか来た道を再び、性懲り無く歩むことになるのか。
不動産業への融資増大への警鐘につては、下記のコラムがあります。
鑑定コラム388)「日本は不動産業国家ではない」
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