9月の声を聞くと札幌は、初秋から中秋である。
札幌の地代訴訟事件の関係で、札幌に行って来た。
札幌の高度商業地にある地代の鑑定評価であった。
地代の評価で地代例がゼロで鑑定評価する訳にはゆかない。
地代事例の存在は必須である。
地代例を捜した。
しかし地代例が見つからない。
不動産業者に当たっても、借地の物件を扱った事など無いという。
そもそも札幌の商業地の中心に借地などあるだろうかという。
地元不動産業者にそのように云われては、お手上げである。
地代例を知っている人に何とか巡り会い、2日かかってどうにか高度商業地の地代を見つける事が出来た。
札幌の高度商業地の地代評価で、これほど地代例の入手に苦労するとは思いもよらなかった。
札幌の不動産鑑定士は、札幌の高度商業地の地代の鑑定評価をする時には、一体どのようにして地代事例を集めているのであろうか。
ここに行けば地代例を教えてくれるという処は無いであろうか。あったら教えて欲しい。
登記所、市役所、下水道局、水道局、地代探し、ビル賃料の賃貸事例の確認等、札幌の市内をタクシーを何回も乗って走り回り、又、歩き回ったおかげで、札幌の市街地の景色を見る事が出来た。
札幌市役所の北側に「時計台」があるとは知らなかった。
アカシヤの街路樹の間から時計台を見る事が出来た。
大通公園のベンチでは読書をしている人もいた。
日中、花の咲く公園のベンチで読書が出来るという生活の余裕がうらやましい。
小さい花壇には、赤いサルビア、橙色のマリーゴールドの花が美しく咲いており目を休ませてくれた。
今迄何回か札幌に来たが、殆どJRの改札口を出ると、そのまま地下鉄に向かい、地上に出ることは無かった。
今回、初めて地上から札幌駅舎を見る事が出来た。
新築して未だ年月も経っていないのか、近代的な新しい建物であった。
駅前広場にはアカエゾマツの樹高6m程度の幼木が植えられていた。
40年後には、この幼木も駅舎を超える様な大木になっているであろう。
大きくなったら、広場の邪魔だと云って切り倒さない事を望む。
慌ただしい2日間の札幌の仕事を終えて、東京に帰るために千歳空港に向かう。
滑走路の見える空港ターミナルビル3階のレストランの窓際に座り、一人ビールのジョッキーを傾ける。
苦みがかったビールの喉ごしを刺激する味わいは、忙しかった2日間の苦労と疲れを忘れさせてくれる。
搭乗する飛行機の出発時間までの短い間であるが、夕闇の中の滑走路に星のごとく散らばり輝く青い誘導ランプの光をぼんやり見ながら、何も考えずに良く冷えた生ビールを飲んで過ごす時間は、自分にとってささやかな幸せを感じるひとときである。
デジカメで撮った写真を載せる。
最初はアカシヤの樹の間に見える「時計台」 、右に行って大通公園、次はその公園の花壇、最後は札幌駅とアカエゾマツの幼木である。2008年9月初旬の札幌の風景である。写真をクリックすると大きくなります。
(注)ネットスケープでは見られない場合があります。