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501)中古マンション価格 ファンドバブル最高値から36%ダウン

 広尾駅は外苑西通りに面し、その駅周辺にはドイツ大使館、フランス大使館等の大使館、有栖川宮記念公園、日赤、聖心女子大学があり、東京の指折りの高級住宅街に取り巻かれる駅である。

 その広尾駅より徒歩約5分の丘陵高台地に、一群のマンションの森がある。

 日本赤十字病院跡地に、1983年頃より数年をかけて作られた「広尾ガーデンヒルズ」というマンションの森である。

 最近の30数階建の高層マンションでは無く、10階建程度のマンションが15棟(1181戸)が、「広尾ガーデンヒルズ」を形成している。

 「ガーデンヒルズ」の名のごとく丘陵高台にあり、緑豊かで静かな落ち着きを持ち、広大な敷地にゆったりとして建っているマンションである。東京を代表するステータスを示す高級マンションと言える。

 私がマンションの価格評価やマンションの価格変動率を分析する時は、「広尾ガーデンヒルズ」の売り価格をまず調べ、その価格との比較で価格水準を把握する。

 また、マンションの価格変動率を知りたい時には、過去に集めた「広尾ガーデンヒルズ」の価格を時系列にして価格変動率を求める。
 この様に不動産鑑定評価において、私がマンション価格及び価格変動率の指標としているマンションである。

 広尾ガーデンヒルズは15棟のマンションがあり、各棟によって価格が異なる。 その15棟の中で、最初の1983年に建てられたイーストヒルB棟(103戸)の売り価格を基準として、価格変動率等を私は分析している。

 イーストヒルB棟の1983年の新築時の売出し価格は、5階部分で坪当り240万円であった。

 平成バブルの絶頂期の1991年(平成3年)には、坪当り1450万円までにもなった。居宅面積30坪とすると、

     1450万円×30坪=43,500万円

である。いわゆる億ションと言われたものである。

 その後、平成バブルの崩壊によって価格は坪当り1200万円、800万円、500万円、350万円と暴落に継ぐ暴落を重ね、2004年(平成16年)には坪当り320万円の水準までになってしまった。

 しかし、今回の不動産ファンドバブルによる地価高騰の影響を受け、イーストヒルB棟のマンション価格は反騰し、2007年9月には坪当り709万円まで高騰する。

 その後、不動産ファンドバブルがはじけて価格は急落し、本鑑定コラムアップの2009年1月現在は、坪当り456万円まで価格は下がっている。

 2007年9月の高値から、

     456万円÷709万円=0.64

−36%の下落である。

 年率に換算すれば、

     (1+X)の(16/12)乗=0.64
の式を解けば、
     X=−0.284≒−0.28

年率−28%の下落である。

 下記に価格変動のグラフ(坪万円)を示す。

 その価格推移グラフを見ると、「今日の価格は、昨日の展開であり、明日を反映するものである」とまさに言えるであろう。

 図の左側の草色の2002〜2008のグラフは、2002年〜2008年の各年の平均価格である。
 その右側の水色のグラフは、2007年1月からの各月の平均価格である。
 線の途切れている個所は、売り物件が無い状態を示す。

 常に売り物件が発生する訳では無いことから、空白月(1〜4ヶ月)があるのは止むを得ないことである。

広尾ガーデンヒルズ イーストヒル


 鑑定コラム734)「超高級マンション「広尾ガーデンヒルズイーストヒル」の価格は坪当り430万円」

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