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734)超高級マンション「広尾ガーデンヒルズイーストヒル」の価格は坪当り430万円

 「広尾ガーデンヒルズ」というマンションは、広尾にあり、「ガーデンヒルズ」の名のごとく丘陵高台にある。緑豊かで静かな落ち着きを持ち、広大な敷地にゆったりとして建っているマンションである。東京を代表するステータスを示す高級マンションと言える。

 私がマンションの価格評価やマンションの価格変動率を分析する時は、「広尾ガーデンヒルズ」の売り価格をまず調べ、その価格との比較で価格水準を把握する。

 また、マンションの価格変動率を知りたい時には、過去に集めた「広尾ガーデンヒルズ」の価格を時系列にして価格変動率を求める。
 この様に不動産鑑定評価において、私がマンション価格及び価格変動率の指標としているマンションである。

 広尾ガーデンヒルズは15棟のマンションがあり、各棟によって価格が異なる。 その15棟の中で、最初の1983年に建てられたイーストヒルB棟(103戸)の売り価格を基準として、価格変動率等を私は分析している。

 イーストヒルB棟の1983年の新築時の売出し価格は、5階部分で坪当り240万円であった。

 平成バブルの絶頂期の1991年(平成3年)には、坪当り1450万円までにもなった。居宅面積30坪とすると、

     1450万円×30坪=43,500万円

である。いわゆる億ションと言われたものである。

 その後、平成バブルの崩壊によって価格は坪当り1200万円、800万円、500万円、350万円と暴落に継ぐ暴落を重ね、2004年(平成16年)には坪当り320万円の水準までになってしまった。

 不動産ファンドバブルによる地価高騰の影響を受け、イーストヒルB棟のマンション価格は反騰し、2007年9月には坪当り709万円まで高騰する。

 高騰はそこ迄で、不動産ファンドバブルがはじけて価格は急落し、2009年1月現在は、坪当り456万円まで価格は下がった。

 2009年1月までのマンション価格分析は、鑑定コラム501)「中古マンション価格 ファンドバブル最高値から36%ダウン」で書いていることから省略する。

 その後の売り物件を調査すると2010年3月に坪当り430万円となったが、その後現在(2011年2月5日)迄売り物件が生じていない。

 このことから、現在の価格は坪当り430万円と考え、価格変動率を計算すれば、以下の通りである。

     430万円÷456万円=0.943


−5.7%の下落である。

 年率に換算すれば、

     (1+X)の(25/12)乗=0.943
の式を解けば、
     X=−0.0278≒−0.028

年率−2.8%の下落である。

 野村不動産アーバンネット調査による中古マンションの変動率調査(2011年1月1日時点)によると、東京区部の中古マンションの地域平均変動率は、

     2010年4月    +0.6%
     2010年7月    +0.3%
     2010年10月    ▲0.2%
     2011年1月    ▲0.5%

である。

 「広尾ガーデンヒルズイーストヒル」は、都内マンションの中でも超高級マンションであり、価格の変動率は平均の動きよりも大きな数値となる。このことを考えれば、野村不動産アーバンネット調査による中古マンションの変動率と矛盾は生じない。

 下記に「広尾ガーデンヒルズイーストヒル」の価格変動のグラフ(坪万円)を示す。

 その価格推移グラフを見ると、「今日の価格は、昨日の展開であり、明日を反映するものである」とまさに言えるであろう。

 図の左側の草色の2002〜2008のグラフは、2002年〜2008年の各年の平均価格である。
 その右側の水色のグラフは、2007年1月からの各月の平均価格である。
 線の途切れている個所は、売り物件が無い状態を示す。

 常に売り物件が発生する訳では無いことから、空白月(1〜4ヶ月)があるのは止むを得ないことである。
 2010年4月〜2011年2月までは売り物件は無いことから、グラフは省略する。

広尾ガーデンヒルズ イーストヒル


 鑑定コラム501)「中古マンション価格 ファンドバブル最高値から36%ダウン」

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