日本経済新聞が、2009年11月12日の社説で、日本航空の再生について論ずる。
日経の日航再生論である。
その内容の大意は、私が、2009年11月10日付に発表した鑑定コラム601)「日本航空(JAL)はどこへ行く」と主張がほぼ同じである。
私は、コラムで「民事再生法適用を行え」と述べた。
日経社説は、法的整理について、次のごとく云う。
「政府は年金の強制減額に向けた特別立法も検討中だが、一企業のために法律までつくるのは尋常ではない。自力で年金減額にメドをつけられないなら、企業風土を刷新する狙いも込めて、法的整理という手法を検討すべきではないか。」と。
日経社説のいう「法的整理」が、民事再生法の適用をいうのか、会社更生法適用を云うのか分からないが、法的整理による企業再生を主張する。
これは私が述べる「民事再生法適用を行え」という考えと全く軌を一にする。
私は日本航空は、「政官業」癒着の見本の会社と云ったが、そのことについて、日経社説は、以下のごとく述べる。
「もう一つは、航空をめぐる政府や政治家の姿勢である。
利用者の少ない地方空港の建設資金をまかなうために航空会社は高い燃料課税や着陸料を負担し、ひとたび空港ができれば、今度は赤字であっても路線開設を要請される。これが経営の重荷になってきた。」
と政官業癒着の構造を具体的に指摘し、それが経営危機を導いたと分析する。
私は、戦後60年続いた自民党政権の生み出した結果であると述べたが、日経社説は、「負の遺産」、「根深い構造問題」という表現で、次のごとく述べて論説を締めくくる。
「日航の危機が深く浮き彫りにした問題は、民主党政権が自民党時代から引き継いだ負の遺産といえる。根深い構造問題に切り込むことこそ、政権交代の意義である。」と。
私の鑑定コラム発表から2日遅れの日経の社説の日航再生論が、私の考え方と同じ考えであることに、私は驚く。言葉、表現の仕方は全く異なるが。
日経の論説委員の中に、私と同じ考え方、発想を持つ人がいるのだなと思わざるを得ない。
新聞は、情報の最新を常に追い求める。社説は、その追い求めた情報を分析して、時代の流れを見据えて発言して世論を形成してゆく。日本の経済をリードする大新聞の社説に、私と同じ考えが述べられることは、悪い気はしない。ニンマリしたくなる。
日経2009年11月12日の社説のアドレスは、下記です。
(注)社説は発信元で掲載指定時間オーバーの為か、アドレスは削除されてしまいましたので、当方のコラムからも削除致します。必要な方は、図書館保存の日経新聞でお読み下さい。2009年11月22日
鑑定コラム601)「日本航空(JAL)はどこへ行く」
鑑定コラム623)「日本航空株価7円」