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623)日本航空株価7円

 2009年1月13日、東京証券取引所上場の日本航空の株価は、1株7円の値段になってしまった。売買株式数は8.2億株で、13日の売買株式高数トップを記録した。

 日航の株価は、完全に倒産を見込んだものとなった。
 日本政府は、日航再建には法的処理である会社更生法の適用を決めた。
 そして再建者のトップに、京都セラミックスを一代で世界的企業に育て上げた経営者の稲盛和夫氏をあてることにし、稲盛氏も受諾した。

 日航はこれから再建への茨の道を歩んで行くことになる。
 見事に再建して欲しい。

 今迄仕事でよくJALを利用していたが、今後も同じ様にJALを出来るだけ利用して、再建に協力しょうと思う。但し再建日航は、特権意識を捨て、政官業癒着を完全に脱却した企業になって欲しい。

 渡辺謙主演の『沈まぬ太陽』という映画が面白いという宣伝にのせられて、最近見てきた。

 『沈まぬ太陽』という映画がどんな内容のものか、全くの予備知識を持たずに観たが、日本航空をモデルにした山崎豊子原作の映画であった。

 渡辺謙演じる労働組合委員長が、給与待遇改善を会社に要求し、要求が通らない場合にはストも辞さないといって、会社経営者と真っ向対立した。

 結局会社が折れて組合の要求を飲んだが、その後の会社の渡辺演じる労組委員長への報復が常軌を逸したやり方である。約束を次々と破り、アフリカ等の後進国への転勤のたらい廻しを行う。

 一方東京の本社では、労働組合の切り崩しにかかり、政治家、役人との癒着による男の出世が描かれる。
 その中で航空機の墜落事故が発生する。

 『沈まぬ太陽』の延長に、現在の日本航空の会社更生法適用、株価7円があるのかと思ってしまう。

 山崎豊子は、今迄に『白い巨塔』、『華麗なる一族』、『大地の子』等の小説を書いている。フィクションと実話を織り交ぜた小説が殆どである。いずれの作品にも必ずモデルとなった人がいる。

 名誉毀損だ盗作だというトラブルが常に発生しているが、現代の日本社会を鋭く切り込んで、人間の金銭欲、出世欲、権力欲と社会の善悪を描ききりながら問題提起できる小説家は、今、山崎豊子氏しかいない。
 それ故、山崎豊子氏は貴重な小説家である。

 『沈まぬ太陽』の主人公にもモデルがあるようである。ほぼそれは実話の様だ。

 主人公を演じた渡辺謙の演技が良い。
 今年の日本アカデミー賞で作品賞、主演男優賞を取るのでは無かろうか。


 鑑定コラム601)「日本航空(JAL)はどこへ行く」

 鑑定コラム602)「日経社説(2009年11月12日)の日航再生論」

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