日本経済新聞出版社が発行する『日経MJトレンド情報2010』(日経MJ<流通新聞>編 2009年10月19日発行 ¥1900 税別 電話03-3270-0251)という本がある。
その「まえがき」によれば、「『日経MJトレンド情報2010』は、日経MJの記事をベースに記者が加筆し、消費のトレンドとマーケッティングの最前線の動きについて、短時間で理解出来るようまとめた貴重な資料です。」と篠原昇司編集長はいう。
確かにその通りである。
小売店、卸売店、飲食店、コンビニエンスストア、通信販売、サービス業の最近(2008年)の売上高等が調査されている。
自分で調査しょうと思っても、『日経MJトレンド情報2010』に記載してある内容のレベルまで、とても出来るものでは無い。流石に、日本経済新聞の記者等が総力を挙げて調査したものは違うということが、はっきりと分かる内容のものである。
不動産鑑定評価の商業地の評価で、店舗の売上高等の予測・想定する場合には大変役に立つ。
インターネットで情報を得る時代になりつつあるが、インターネットでの情報検索は意外にも時間がかかり、又、結果として満足するものが得られない場合が多い。
紙ベースの書物にまとめられた情報データの方が、内容が深く、データ量も多く格段に優れる。
そういう面から、データを調べるに重宝な『日経MJトレンド情報2010』は、手許に置いていて良い情報の本と思われる。
日本経済新聞出版社から、宣伝を頼まれた訳では無いが、購入して利用されることを勧める。
その『日経MJトレンド情報2010』に、日本全国の百貨店のデータが調査掲載されている。
百貨店は、専門店の躍進、ショッピングセンターの商品価格の低価格化、通信販売の拡大で、それらとの競争が激しく、売上高が減少の道をたどっている。
とはいえ、小売業の雄である。
小売業の状況を分析するには、百貨店の売上高の状況を見ずに語ることは出来ない。
『日経MJトレンド情報2010』掲載の日本全国の百貨店のうち、東京の主な百貨店の売上高等のデータを利用して、売場面積坪当りの売上高を分析してみる。下記に一覧表として記す。
商業地の価格評価、店舗家賃の評価には参考になるのでは無かろうかと思う。
2008年の売上高である。u当り売上高、坪当り売上高は、筆者の計算による。
月間坪当り売上高で100万円を超えるのは、 伊勢丹 新宿本店 105.5万円
50万〜100万円未満の百貨店は、 高島屋 東京日本橋 80.3万円 西武百貨店 池袋 70.4万円 京王百貨店 新宿 58.8万円 小田急百貨店 新宿 56.9万円 松屋 銀座本店 53.6万円 三越 本店 50.9万円
50万円未満は、 東急百貨店 本店 49.6万円 東武百貨店 池袋本店 40.7万円 高島屋 新宿 39.0万円
2008年売上高 百万円 | 売場面積 u | u当り売上高 円 | 坪当り売上高 円 | 月額u当り売上高 円 | 月額坪当り売上高 円 | ||
三越 | 本店 | 253109 | 136941 | 1850000 | 6120000 | 154000 | 509000 |
伊勢丹 | 新宿本店 | 246003 | 64296 | 3830000 | 12660000 | 319000 | 1055000 |
西武百貨店 | 池袋西武 | 169173 | 66124 | 2560000 | 8460000 | 213000 | 704000 |
高島屋 | 東京 | 146473 | 50390 | 2910000 | 9620000 | 243000 | 803000 |
東急百貨店 | 本店 | 124336 | 69141 | 1800000 | 5950000 | 150000 | 496000 |
東武百貨店 | 池袋本店 | 122356 | 82963 | 1470000 | 4860000 | 123000 | 407000 |
小田急百貨店 | 新宿 | 104784 | 50954 | 2060000 | 6810000 | 172000 | 569000 |
京王百貨店 | 新宿 | 92634 | 43216 | 2140000 | 7070000 | 178000 | 588000 |
高島屋 | 新宿 | 76107 | 53908 | 1410000 | 4660000 | 118000 | 390000 |
松屋 | 銀座本店 | 62330 | 32182 | 1940000 | 6410000 | 162000 | 536000 |