下記の写真は何処の写真か。
北海道札幌に住んでいる人は、何処の建物か分かるであろう。
札幌の不動産鑑定士であれば知りませんと言えない。知らないと言えば、余程不動産鑑定の仕事をしていないか、札幌のことについて知らない不動産鑑定士と言うことになる。
上記写真の地域は容積率600%の地域である。
周辺には8階建等の建物利用が多い。
しかし、写真の建物は2階建利用である。
この建物の賃料を求めるとする。
土地の更地価格をA円とする。
建物の価格をB円とする。
土地建物の価格は、
A+B=C円
である。
このC円を、積算賃料を求める場合の基礎価格にするのか。
C円×期待利回り+必要諸経費=積算賃料
と求めて鑑定書に書くのか。
現実にはこうした賃料の鑑定書が甚だ多い。
更地価格A円は、最有効使用の状態の土地価格である。
容積率600%の地域にあっては、容積600%の建物利用を前提にして土地価格A円は形成されている。
建物で言えば8階建程度の土地利用である。
写真の建物は、2階建である。
敷地面積に対する建物延べ床面積の実際利用の容積割合を、仮に150%とする。
更地価格A円は、8階建容積率600%に対応する価格であり、その土地利益を2階建容積率150%の建物の家賃に全部負担させて良いものであろうか。
もしそうすると、本来3階〜8階の建物が負担すべき土地利益を、2階建の建物が全て被ることになる。
それは理不尽なことでは無いのか。
それを行ったら、2階建の建物の家賃がとんでもない高い家賃になってしまう。
ではどうすれば良いのか。
土地価格のうち、2階建容積率150%の建物の家賃が負担すべき部分は、建物の効用が各階同じとすると、
150 ──── = 0.25 600