東京の東側の海沿い隣接地が、千葉県の浦安市である。
旧浦安町の地先の沿岸海を大規模に埋め立てて、住宅地や工場地・運輸倉庫地にした。そこにはディズニーランド、デイズニーシーの大レジャーランドもある。
旧浦安町市街地と埋立地に作られた町並とは、浦安市の中にあって、全く街が異なるごとくである。
鉄道はJR京葉線が走り、舞浜駅(ディズニーランドの直近の駅) 、新浦安の駅がある。
東京に近くと云うことと、区画が整理された住宅地ということで、新興住宅地として人気がある。
南フランスプロバンスの建物の色を思いださせる壁、屋根瓦のしゃれた戸建住宅が建ち並ぶ。土地建物併せて1億円を超える住宅地である。
マンションも高層マンションが建ち並ぶ。
東北地方・太平洋沖マグニチュード9.0の地震は、埋め立てて造られた浦安の海岸沿の、新興の高級住宅地を襲った。
浦安の海岸の土地の液状化がひどいという噂を聞いた。
職業柄液状化による土地の被害状況はどんなものであろうかと思い、時間を作り、2011年の3月の下旬に、新浦安の駅に降り立った。
被災地を見て歩くという事は、被災者の方々に申し分けないという気持ちもある。しかし、不動産鑑定士という立場で地震による液状化がどういうものかを見ておくことは必要であるから、申し分けないと云う気持ちを持ちながら、液状化による土地被害状況を見て回った。
全ての土地、地域を回った訳では無いが、液状化のひどさを知る事が出来た。
道路は白く、自動車が砂ほこりを舞いあげて走る。
いたる処に地中にあるハズの砂が小さい小山を作っている。
道路の地割れ、傾いた電柱、せり上がった舗装道路、起伏の歩道、傾いた家、敷地のみ沈下して基礎が見える建物等が目に入った。
傾いた電柱、地中におよそ3メートルほど沈み込んだ電柱を抜き取り電柱の取替工事を行っている。
道路工事、瓦斯工事、水道工事、下水工事と道路を掘りおこして傷んだインフラの整備工事を、街のいたる処でやっている。
浦安市が持てる力を全て出して、浦安市内の土木、電気、水道、下水、瓦斯工事会社の全てを出動させて、フル回転で、被害を受けたインフラの復旧工事をしているのではなかろうかと思われるようである。
ディズニーランド、デイズニーシーも地震の被害を受け、営業を休業していた。デイズニーシーの近くまで行き、外からコロンビア号そしてミステリアスランドの休んでいる「火山」を外から見てきた。
傾いている交番の建物は、地震の液状化の怖さを忘れ無いために、取り壊さず、現況のままで地震史跡保存しておくほうが良いではないかと私は思う。
下記に写真を載せる。クリックすれば拡大されます。
新浦安の駅である。後ろの建物はホテルであるが、ディズニーランド、デイズニーシーが休園のため、ホテルも開店休業のごとくと聞く。休業しているホテルもあると聞く
沈み込んで傾いた店舗である
地盤が沈み、基礎が見えるRC造建物である
傾いた交番建物である
沈み壊れた工場の門である
地下の砂が地上に出てきて歩道を埋め尽くし、フェンスをも壊す。左側の車道は緊急工事によって改修がほぼ終わった道路である。浦安市は地震復旧工事を手早く良くやっている。
歩道隆起と正常な電柱(電柱の番号を記す白いプレートの位置)
電柱沈下(白いプレートの位置)と支線並びに黄色の支線ガードの弛みと電線降下。黄色の支線ガードは斜めにピンと張ってあるものである。それが写真のごとく歪み垂れの状態にあることは、電柱が沈下した証拠である。それに伴い電線も下がり、セダンタイプの自動車の通行は可能であるが、トラック等の大型車の通行は、通常の空中の高さから大きく下位の位置に来た電線に引っかかる可能性がある。交通整理の作業員が出て、車の通行を遮断していた。聞けば電柱はおよそ3m位沈下したのではないかと云っていた。
休園のディズニーシーである。いつもは火山より白い蒸気が立ち昇っている。
鑑定コラム754)「ゴルフボールかビー玉を持って」
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