○鑑定コラム



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78)鑑の会

 女性の不動産鑑定士が多くなり、その活躍がめざましくなってきた。非常に喜ばしい事である。そのうちに不動産鑑定士の職業団体である日本不動産鑑定協会の会長に、女性の会長が出現する日が来るかもしれない。

 女性の不動産鑑定士の方々の集う会として『鑑の会』(平松宏子代表)というものがある。
「鑑」を「かがみ」と読む。さすがに女性の奥ゆかしさをほのかに感じる。日本全国の多くの女性の不動産鑑定士が入っていられると聞く。

 縁あってその『鑑の会』で講演することになってしまった。
 あまり話上手でもなく、人の前で偉そうな事を言って居ると受け取られるのもイヤで一旦は断ったが、賃料関係の内容で話を是非といわれ引き受けた。

 会場は都心の皇居に近いビルで絨毯の敷かれた、中規模の結婚披露宴にでも使われているのでは無いかと思われる立派な会場であった。ボーイさんが水差しとおしぼりを演台に運んで来てくれた。

 出席者は東京の女性の方ばかりと思っていたら、広島とか岡山、山梨、茨城など随分と遠方から参加されているのを聞いてびっくりしてしまった。
 個人で開業されている方、鑑定事務所に勤務されている方のほか、日本でも指折りの鑑定会社を経営されておられる方も講演を聴きに来て頂いておられ、恐縮してしまった。

 講演の課題は『継続家賃の求め方について』で、講演に時間の制限があったが、『鑑定評価基準』をいくら読んでも書いて無く、分からなく、また少しの賃料評価の経験をしたとしても、まず会得出来ない賃料評価のエッセンスのエッセンスを重点的に話をした。

 賃料の基礎価格は立体的にも平面的にも、借家権が及ぶ範囲の土地建物の価格であること。新規賃料の期待利回りと利回り法の継続賃料利回りは無関係ではなく、この両利回りの関係を考えずに賃料評価すると大やけどをすること。賃貸借契約終了時の保証金の償却を見落していると、賃料訴訟に詳しい代理人弁護士から相当強烈な批判を浴びることなど、私が今迄裁判の賃料評価で法廷の証人尋問で冷汗をかきながら得たエッセンスを話した。

 内容が理解されたかどうかは話する方の私にはさっぱりわから無いが、女性ばかりの不動産鑑定士の前で話する機会が与えられた事に率直に感謝したい。


  鑑定コラム1865)「女性不動産鑑定士第一号の平松宏子氏の死を悼む」
 

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