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856)2月・9月の小売業売上高はさえない

 経済産業省が発表している小売業の商業動態調査によると、平成20年・21年・22年の各月の売上高と、月平均売上高に対する割合を記すと下記のとおりである。


20年     21年     22年       3年平均
売上高10億円 評点 売上高10億円 評点 売上高10億円 評点 評点
1月 11136 0.99 1月 10871 0.99 1月 11124 0.98 1月 0.99
2月 10585 0.94 2月 9978 0.90 2月 10397 0.92 2月 0.92
3月 12202 1.08 3月 11738 1.06 3月 12294 1.09 3月 1.08
4月 11183 0.99 4月 10869 0.99 4月 11401 1.01 4月 1.00
5月 11047 0.98 5月 10744 0.97 5月 11057 0.98 5月 0.98
6月 10981 0.97 6月 10661 0.97 6月 11012 0.97 6月 0.97
7月 11565 1.02 7月 11287 1.02 7月 11720 1.04 7月 1.03
8月 10966 0.97 8月 10769 0.98 8月 11236 0.99 8月 0.98
9月 10691 0.95 9月 10547 0.96 9月 10695 0.95 9月 0.95
10月 10929 0.97 10月 10822 0.98 10月 10802 0.96 10月 0.97
11月 11153 0.99 11月 11030 1.00 11月 11194 0.99 11月 0.99
12月 13039 1.15 12月 13011 1.18 12月 12731 1.13 12月 1.15
平均 11290 1.00   11027 1.00   11305 1.00   1.00


 3年平均の各月割合は、次のとおりである。

          1月     0.99
          2月     0.92
     3月          1.08
     4月     1.00
     5月     0.98
     6月     0.97

     7月 1.03      8月 0.98      9月     0.95      10月     0.97      11月     0.99      12月     1.15

 上記各月割合より、次の事がいえる。

1.4月の売上高を12倍すれば、その年の年間の売上高が推定される。
 この経済経験則は大いに利用出来そうだ。
 小売店の4月の売上高を聞いて、その数字を12倍すれば、年間の売上高が予測出来る。

 4月の売上高から年間の売上高を知る。年間売上高を12で割って年間平均売上高を知る。平均月売上高を知って、上記月別割合を乗じて、各月の売上高を求める。

 DCF法の売上高予測に利用出来そうだ。

 売上高が分かれば、売上高あっての賃料であるから、家賃・地代の鑑定評価にも利用出来る。


2.平均売上高よりも高い売上高の月は、3月、7月、12月である。
 3月は新学期、新社会人の需要によるのか8%高、7月は夏物の需要で3%高、暮れの12月は冬物と正月需要のために15%アップである。


3.最も売上の落ち込む月は、2月で−8%、次いで9月の−5%である。
 巷間良くいわれる「ニッパチ」の不景気は2月、8月は売上高が落ちる月と言われるが、小売業においては、「ニッパチ」でなく、「ニッキュウ」即ち2月・9月の売上減であるようだ。


4.その他の月は1〜3%の売上ダウンである。


  鑑定コラム854)
「小売業の売上高は133兆円、平成16年並」

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  鑑定コラム862)「小売業の勝ち組と負け組」

  鑑定コラム935)「平成24年の小売業売上高の予想は138兆円」


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