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1195)銀座店舗家賃とソニービルの地価

 東京銀座5丁目の数寄屋橋交差点に建つ「ソニービル」の敷地は、国交省が発表する地価公示地の土地である。

 地価公示地番号東京中央5-41(中央区銀座5-3-1)で、平成26年1月1日時点の価格は、u当り2610万円である。

 鑑定コラム1194)で、銀座土地価格の変動と銀座店舗家賃(1階を除く)の間には、賃料の遅行性が無いと云うことが分かった。

 そうであれば、銀座店舗家賃から銀座の土地価格の変動を予測することが出来ることになる。

 銀座土地価格と銀座店舗家賃(1階を除く)との間には、どの様な関係があるか分析してみる。

 銀座店舗家賃(1階は除く)は、株式会社スペーストラスト(社長平山 仁)発表のデータを使用する。

 土地価格は、国交省発表のソニービル敷地の地価公示価格を使用する。

 それら土地価格と店舗家賃は、下記である。

                  銀座店舗家賃(1階を除く)      ソニービル地価
                       坪円                       u万円

2009年1月      27,280           3370  2010年1月      24,997           2500  2011年1月      24,225           2430  2012年1月      22,375           2390  2013年1月      23,034           2390  2014年1月      24,892           2610 
X   銀座店舗家賃(1階を除く) 坪円 Y ソニービル地価 u万円
として、XY両者の間に関係が存在するか、上記数値の交点をグラフに落として見る。

 下図である。



ソニービル地価


 グラフ上の実測値の交点間にはパラツキがあるが、両者の間には線形関数の関係があると見てとれる。

 その線形関数を計算すれば、XYの間には、

            Y=−2156.67+0.1950X

                  相関係数 r=0.88
                  20,000 < X < 28,000
の関係があると認められる。この関係は、銀座店舗家賃(1階を除く)が、坪20,000円から28,000円の間にのみ認められる関係である。

 相関係数が0.88とやや低いが、それでもこれだけの値であれば、線形関数の関係があると云える。

 平成26年1月の銀座店舗家賃(1階を除く)は、坪当り24,892円であった。

 この家賃のソニービルの土地価格は、

              −2156.67+0.1950×24,892≒2697
u当り2697万円である。

 坪当り24,892円の家賃が、10%上昇したとすると、

            24,892円×1.10=27,381円
である。

 これをXとして、Yを求めると、

              −2156.67+0.1950×27,381≒3183
u当り3183万円である。

 銀座店舗家賃(1階を除く)が10%上がると、ソニービルの土地価格は、

                 3183
              ──── ≒1.180                                      
                 2697
18%値上りすることになる。

 ソニービルの土地価格が上昇したと分かれば、銀座の他の土地も、上昇率はどれ程か分からないが、全て値上りすることになる。

 銀座の地代については、機会があればいつか述べるとして、4つ続いた銀座の土地等に付いてのコラム記事は、ここで一旦終わりとする。


  鑑定コラム1194)「銀座店舗家賃の底は平成24年の中頃であった」

  鑑定コラム1192)「銀座の土地の動き」

  鑑定コラム1317)「店舗の賃料が年4%と値上り始めた」



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