○鑑定コラム
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東京の商業の中心地である銀座の土地の動きについて、少し論じる。
銀座の土地価格の水準はどれ位なのかを、まず確かめる。
それは、毎年1月1日時点の土地価格として発表される国交省の地価公示価格で知ることが出来る。
1つの地点の地価公示価格の時系列価格を示す。
その地価公示価格の場所は、「東京都中央区銀座5丁目3番1号」の土地である。
地番で云われても、その場所は具体的に分からない。どこなんだと云うことになる。
ビル名で云えば、数寄屋橋交差点の「ソニービル」の土地である。
地下鉄東京メトロ丸ノ内線の銀座駅で降りて、地上に出る階段を登ると、数寄屋橋交差点の交番の横に出る。
その数寄屋橋交差点の交番の反対側の角に建っているのが、「ソニービル」である。
上記地価公示地は、その「ソニービル」の土地である。
地図で確認したい人は、検索エンジンのグーグールで、グーグルの地図検索サービスを選び、上記住所を打ち込めば、たちどころに「ゼンリン」の地図の上に当該場所を示す印が付けられて知ることが出来る。
その地価公示地の価格を時系列で記すと、下記である。単位はu当り万円である。
平成18年(2006年)1月 1940万円
平成19年(2007年)1月 2580万円
平成20年(2008年)1月 3440万円
平成21年(2009年)1月 3370万円
平成22年(2010年)1月 2500万円
平成23年(2011年)1月 2430万円
平成24年(2012年)1月 2390万円
平成25年(2013年)1月 2390万円
平成26年(2014年)1月 2610万円
平成20年(2008年)1月の3440万円が最高値の土地価格である。
坪当り価格は、
3440万円×3.30578≒1億1千万円
である。
タタミ2畳の広さの土地が、1.1億円もするのである。
平成19年(2007年)7月にバフルがはじけた。不動産ファンドバブルと呼ばれるバブルがはじけた。
その土地価格の頂上の価格が、平成20年1月の地価公示価格で残されている。 平成19年7月時には、もっと高い土地価格であったと思われる。
平成18年から平成20年の土地価格の上昇の凄まじさは、その数値を見れば分かろう。
現在、再び「リートバブル」で同じことが行われている。
具体的に目に見えないから分からないだけであるが、現在不動産の三度(みたび)のバブルが進行している。
平成25年は2390万円、平成26年は2610万円と土地価格が値上りしている。
アベノミックスの影響と思われる。
大した値上りではないと思われるかもしれないが、実態はそんなのんびりしたものでは無い。リートバブルの凄さは半端ではない。
東京のリート物件が高くなりすぎて、採算が合わなくなったと云って、リート業者は地方の物件を買いあさり始めている。
かっての平成バブルと同じ現象、行動である。
土地価格が値上りし始めた時は、資本主義が隠し持っていた本性の牙をむきだして来て、猛然と襲いかかり、その牙から逃げることはまず出来ない。
土地価格の上昇を止めることは不可能である。行き着く所まで行かざるを得ない。
リニア中央新幹線の駅設置地域の土地価格が、資本主義の本性の牙にかかったら、土地価格の抑制は不可能である。
それ故、対策をしっかりとれと私が鑑定コラム861)で主張していることは、銀座の平成18年から20年の土地価格の上昇の数値を知ることによって、その主張を少しは理解出来るであろう。
銀座を営業地盤にして不動産業を営んでいる企業として、株式会社スペーストラスト(社長 平山 仁)と云う会社がある。
以前は、「平山企画」という名前だったと記憶している。
そのスペーストラストが、同社のホームページで、「銀座の市場動向」を四半期ごとに発表している。
2012年1月(2011年11月〜2012年1月 当該月を含める直前3ヶ月の期間 以下省略する)の動向として、「リーマンショック以前と比較して3割程度まで下落している」と云う。
リーマンショツクと云われるのは、平成20年(2008年)9月のリーマン・ブラザーズの倒産を指す。
それ以前と云うのは、平成20年前というのであり、地価公示価格で云えば平成20年1月の地価公示価格である。 その価格は3440万円である。
その価格より3割ダウンしていると云うことは、
3440万円×(1-0.3) = 2408万円
である。
2012年1月の価格はu当り2408万円程度ということである。
その時の地価公示価格は、どれ程かと云えば、前記より2390万円である。
まとめると、
スペーストラストの3割ダウンの価格 2408万円
地価公示価格 2390万円
である。
見事に整合性がとれている。
流石に、銀座の地元不動産会社の不動産価格の捉え方は鋭い。
2012年10月のスペーストラストの「銀座の市場動向」は、「買い手側は底を打ったと云う認識」と云う。
即ち、銀座土地価格は、2012年(平成24年)10月が底と判断している。
私は、鑑定コラム944)の記事「商業地価は底(2012年7月)」(2012年8月26日付)で、東京商業地の地価は、2012年7月が底と発表している。
スペーストラストの「銀座の市場動向」と私の分析結果とは、ほぼ同じであり、私の分析が裏づけられたということになる。
これを褒めてくれる人は誰もいないであろうが、わが鑑定コラムの分析もまんざらではないと、一人勝手に自己認識する。
そのスペーストラストの「銀座の市場動向」の最近の2014年1月(平成26年1月)は、具体的に土地価格水準について言及する。以下である。
「銀座8丁目の中央通りに面したビルも、坪8000万円前後で話がなされ、松屋銀座店裏の物件が、坪4500万円の話がある」
と、銀座の土地売買の活況を述べている。
東京銀座の土地に見るリートバブルの現実である。
鑑定コラム944)「商業地価は底(2012年7月)」
鑑定コラム1141)「リートバブルだ」
鑑定コラム861)「リニア新幹線関連で地価の監視始まる」
鑑定コラム1193)「銀座松坂屋は銀座に戻ってこない」
鑑定コラム1194) 「銀座店舗家賃の底は平成24年の中頃であった」
鑑定コラム1195)「銀座店舗家賃とソニービルの地価」
鑑定コラム1460)「銀座の土地が坪2億円で取引された」
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