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1317)店舗の賃料が年4%と値上り始めた

 都心の商業地は、日銀の金融の超超超緩和のアベノミックスとリートバブルで大幅に値上りしているのにもかかわらず、店舗の賃料はなかなか値上りしなかった。

 しかし、やっと店舗の賃料が値上りし始めた。
 リートバブルが終わろうとする頃に。

 日本銀行は、企業向けサービス価格指数を発表している。
 その指数の中に、「不動産賃貸」の部門がある。

 その不動産賃貸部門の指数の一つに、「店舗賃貸」の指数がある。
 店舗賃料の指数である。

 この指数は、店舗の新規賃料のほかに、店舗の継続賃料も含まれていると推測され、むしろ継続賃料のデータの方が多いのでは無かろうかと思われる。

 そうしたことから、どちらかといえば継続賃料の店舗家賃指数の性格が強いと言える。

 2014年1月〜12月までの店舗賃貸指数は、下記である。 2010年=100

                2014年01月    98.4
                2014年02月    95.2
                2014年03月    98.6
                2014年04月    99.4
                2014年05月    99.8
                2014年06月    99.5
                2014年07月    99.5
                2014年08月    100.0
                2014年09月    98.8
                2014年10月    99.6
                2014年11月    100.4
                2014年12月    102.2
                   平均           99.3

 2014年1月〜12月の間に、店舗賃料は、

                  102.2
                 ──── = 1.0386 ≒ 1.04                         
                    98.4

+4%上昇している。

 過去の各年の平均指数を記すと、(各月の日銀発表指数を単純平均して求める。計算は田原による。)

             2011年    98.8
             2012年    98.5
             2013年    97.6

と店舗賃料は下落傾向にあった。それが2014年には99.3となり、上昇に転じたのである。

 前記で、2014年の年始と年末までの間に4%上昇と分析したが、2013年と2014年の平均指数で見ると、

              2014年平均      99.3
           ──────────── = 1.017 ≒ 1.02                
              2013年平均      97.6

+2%の上昇である。

 日銀の店舗指数は、前述したごとく、継続賃料も含まれていると思われる指数である。

 店舗を借りて商売をしている会社の売上高が伸びている状況の中での賃料の上昇であれば、店舗賃料の上昇は、経済合理性から納得出来るが、リートバブルによる商業地の地価の上昇を原因とする賃料の遅行性からの上昇であれば、問題となろう。



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