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1254)桐蔭横浜大学は祝日でも講義がある

 大学の後期授業が始まった。

 私の2014年の後期授業は、9月23日(火曜日)より始まった。

 2014年9月23日は、秋分の日で旗日である。
 即ち祝日で休日である。

 後期の講義日程が教務課より、知らされた時、後期講義の最初の日が、祝日の秋分の日であることを知って、私は教務課に問い合わせた。

 「秋分の日で祝日であるから、休日では無いのか。
間違いでは無いのか。」

と。

 教務課の担当者から、

 「田原先生、間違いではありません。
桐蔭横浜大学では、祝日でも火曜日ですから、授業を行います。宜しく願います。」

という返事が返って来た。

 祝日の講義に果たして学生は来るのであろうかと、半端疑心暗鬼で、9月23日秋分の日に横浜青葉台にある桐蔭横浜大学に行った。

 学生は多くは無いが、出席していた。
 安堵して講義を行った。

 その日の講義は、不動産の価格に関する11の価格原則についてである。

 課題を上げて具体的に説明した方が、理解し易いと思い、下記課題を掲げて話した。

 『都心に本社ビルがどうして建てることが出来るか』

 収益配分の原則を理解し、数字で合理的に説明するという考え方を示し、教えるためである。

 この課題については、

  鑑定コラム33)「知識企業の価格は売上高の18%」
    鑑定コラム119)「都心に本社ビルを何故建てることが出来るのか」

と云う記事で述べている。

 学生はどうして建てる事ことが出来るか分からないと、頭をひねっていた。 お金がある企業が建てるのであろうという学生もいる。

 都心に本社ビルがあるとする。
 その本社ビルに400人の幹部社員が勤務しているとする。

 一人当りの執務スペースを9坪とする。
     9×400=3600坪
 3600坪の執務床面積が必要である。
 これは有効面積である。

 レンタブル比を65%とすると、
     3600坪÷0.65=5538坪
建物延べ床面積は、5538坪である。

 1フロアの面積を250坪とすると、
     5538坪÷250坪≒22
22階建のビルである。

 このビルの賃料単価を、坪当り2.5万円とすると、
     2.5万円×3600坪=9000万円
月9000万円の賃料である。

 年間では、
    9000万円×12ヶ月=108000万円=10.8億円
10.8億円の賃料である。

 本社業務は、知識事務系である。
 そうした企業の売上高に占める賃料割合を8%とすれば、
     10.8億円÷0.08=135億円
135億円の売上高となる。

 本社部門は、そこでは生産、販売していない。
 このことから135億円の金額は、本社経費と云うことになる。

 では、その本社経費をどうしてひねり出すのか。

 地方に幾つか分散して商品を生産している工場に、本社経費を負担してもらわざるを得ない。

 各工場が、工場の売上高(生産高)の2.5%を本社経費分として、本社に送金することになる。
           135億円÷0.025=5400億円
 売上高5400億円ある企業であれば、都心に22階建の本社ビルを建てることが出来る。

 本社経費として各工場に割り当てる売上高の2.5%が、経営に配分される利益である。

 それが、総収益は、資本、労働、不動産、経営に配分される収益配分の原則の経営配分利益である。

 幹部社員等200人の場合も、上記と全く同じ方法によって、異なった規模の建物になるが、都心の本社ビルを説明出来る。

 賃料を坪当り2.0万円、執務スペースを一人当り8坪とすれば、違った規模の本社ビルとなる。

 経営配分利益は、売上高の1〜2.5%である。

 純収益で考えると、平均は、純収益の16.2%(『民事再生法と資産評価』P159 田原共著 清文社)である。

 2013年8月4日の日本経済新聞は、伝える。
 トヨタの海外子会社は、売上高の6%を本社に送金していると。技術料として。
 これも一つの経営配分利益であろう。


  鑑定コラム33)
「知識企業の価格は売上高の18%」

  鑑定コラム119)「都心に本社ビルを何故建てることが出来るのか」


  

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