「小よく大を制す」という格言がある。
その格言は、「柔よく剛を制す」から転用して使われ出した可能性もあるのではなかろうかと思われる。
その意味は、小さい体の人が、技と才知とスピードを使って、体の大きい人を負かすということである。
2015年8月10日、身長178cmの錦織が、208cmの身長のイスナー(米国)に勝って、テニスのシティ・オープンに優勝した。
178cmの身長は、日本人としては小さい方では無い。
日本人では、大きい方の部類に入る。
しかし、190cmの身長のクラスの人がゴロゴロいる欧米人より見れば、178cmの身長は小さい。
身長が小さいと、当然骨格も小さくなる。
ゲームを終えて、ネットを挟んで勝者と敗者の選手が互いに握手する時、錦織とイスナーが並ぶと、その大小の差が際だってわかる。
大人と子供の差の感じである。
あんな大きな人と戦って、錦織は勝ったのかと改めて感心する。
テニスの2015年のシティ・オープンは、アメリカの首都のワシントンで行われた。
錦織は、世界ランキング5位にいるため、第2シードで、2日目の試合から出場した。
初戦のダックワース(豪)に、第1セット6-7で負けた時には、この調子では試合に負けるのでは無かろうかと、試合をテレビで観ながら思った。
3回戦は、マイエルに2-0で勝つ。
それ以後は、時速200qを遙かに超えるサーブを打ち込むビッグサーバー3人との対戦である。
準々決勝は、世界最高時速263qのサーブを打ち込むグロースとの対戦であった。
準決勝は、チリッチとの対戦であった。
チリッチとは、去年の全米オープン決勝で、錦織が0-3とストレート敗けした選手である。
そして、決勝は、イスナーであった。
第1セットをイスナーに取られて、ダメかなと思ったが、第2、第3セット共に錦織は獲得した。
錦織が優勝した。
18本の高速サービスエースを決められながら、よくぞ勝ったと拍手する。
ビッグサバーとの闘いに、錦織は勝つことが出来る様になった。
世界のトップクラスの3人のビッグサーバーと対戦し、彼等を破ったことによって、錦織は何かコツをつかんだのではなかろうか。
優勝後のインタビューで、相手の高速サーブの方向がある程度分かる様になり、打ち返しするための立つ位置を変えることが出来たと語っていたことから、それが伺える。
試合場のあちこちに「シティ」のロゴマークが張られ、そのロゴマークの脇に、丸の中にRの文字を描いた丸アールの商標登録を示すマークが見える。
そのロゴは、日本でも見かけるもので、「シティ・バンク・グループ」の商標である。
とすると、今テニス大会名のシティ・オープンの「シティ」は、シティ・バンク・グループの「シティ」で、この公式テニス大会のスポンサー企業は、シティ・バンク・グループか。
シティ・バンクは、ロックフェラーの銀行だ。
表彰式が始まり、準優勝のイスナーのスピーチ、そして少し小太りで年齢のいった柔和でふくよかな顔の男性のスピーチが始まり、その男性が錦織に優勝トロフィーを手渡した。優勝トロフィーは、大会主催スポンサーが手渡すものであろう。
とすると、その人は。
日本人のアナウンサーと解説者は、テニス談義を続けていて、錦織に優勝トロフィーを手渡した男性が誰なのか伝えない。
アメリカの人は、その人が誰なのか知っているであろうが、私には誰だか分からない。
日本人のアナウンサーと解説者ょ、テニス談義など続けておらずに、放送者として伝えるべきものは何かとわきまえて、表彰式の実況報告をしてくれないものか。
表彰式の司会者は、同時放送として映像が日本にも流されていることを知っているために、錦織に英語のスピーチの後に、日本のファンに日本語で挨拶をと云って、錦織にマイクを向けて配慮してくれているのである。
錦織は、日本語で優勝スピーチしてくれた。
2015年シティ・オープンで、錦織に優勝トロフィーを手渡した男の人は誰なのか。
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