日本一の大家である独立行政法人都市再生機構(以下「UR」とする)が、賃貸している住宅の家賃改定のルールを変更した。
URは、2015年(平成27年)12月24日付けのURのホームページに、所有する賃貸住宅の家賃改定の考え方を発表した。
URは、家賃改定のルールを変える理由について、次の2つを上げている。
@ 新規入居者の家賃との均衡を図る。
A 民間賃貸住宅市場の一般的慣行との整合を図る。
上記2つの理由による変更というが、逆に考えれば、上記2つの当り前のことが今迄行われていなかったと云うことになる。
その弊害が著しくなり、看過出来ない状態にまでなり、変更せざるを得なくなったということであろうか。
家賃改定のルールを変えるということは、継続賃料の求め方を変え無ければ出来ないことから、継続賃料の求め方を変えるということになる。
URは、継続賃料の求め方を、不動産鑑定評価基準による求め方に変えると明言した。
そして、その継続賃料の求め方の基本は、次の2つである。
@ 差額配分法とスライド法の2つの手法による。
A 差額配分法とスライド法のウエイト割合は、2対1とする。
それぞれの具体的求め方は、次のごとく云う。
差額配分法は1/2法による。つまり新規賃料と従前賃料との差額を1/2とし、1/2を従前賃料に加減すると云うことである。
スライド法の変動率は、今迄は消費者物価指数(家賃指数)を使用していたが、改定では、「近傍同種家賃の変動率」に変更すると云う。
改定対象となる従前賃料は、近傍同種の住宅家賃の額と均衡を失しない範囲(5%)を超えた乖離が生じた従前賃料という。
そして激減緩和措置を廃止するとも云う。
URが、スライド法の変動率に、消費者物価指数を廃止し、近傍同種の家賃変動率に変えたことは、大変大きな変更である。
私が主張する「スライド法の変動率は、賃料の変動率に優るものは無い」ということを、URが実証してくれたようなものである。
URの継続賃料の求め方の変更で注目すべきことが、もう1つある。
それは、5%までの賃料開差は許容の範囲であるが、賃料開差5%以上は許容出来なく、賃料改定増減の対象とすると明言したことである。
継続賃料の改定の1つのルールを、URは明確に打ち出してくれた。
この5%ルールの明言は、日本一の大家の明言であることから、与える影響は大きい。
鑑定コラム289)「スライド法の尺度は賃料の変動率が最重要視されるべきものだ」
鑑定コラム1119)「賃料の変動率に優るスライド法の変動率は無い」
鑑定コラム1156)「リーマンショック、トヨタ赤字、東日本大震災の賃料影響」
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