○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

1513)帝国ホテルの1室料金は34,357円(平成28年3月)

 帝国ホテルの2016年(平成28年)3月期決算が発表された。

 同期の帝国ホテル本社のホテル1室料金は、いかほどであろうか。

 『第175期定時株主総会招集ご通知添付書類事業報告』という書類の中に、数値が記載されている。

 同書類の「帝国ホテル本社」のホテル状況の説明の中に、次のごとく記載されていた。()内は昨年の数値である。

           客室売上高     8,993百万円(8,507百万円)
           稼働率                76.8%(81.7%)
           1室単価            34,357円(30,658円)

 客室売上高は5.7%の増加、稼働率は▲4.9ポイントの減少、1室単価は12.1%のアップである。

 1室単価は、34,357円と記してある。
 計算しなくてもホテル側から発表されている。

 しかし検証してみる必要があり、計算してみる。

 帝国ホテルの本社の客室数は931室である。

 稼働率は76.8%とあるが、同期の有価証券報告書では、収容能力の客室数と実績客室数が発表されており、その数値からより詳しく稼働率の数値を求める。

            収容能力     340,746室
            収容実績     261,761室

 これより客室稼働率は、

         収容実績    261,761室
       ───────────── = 0.7682                        
         収容能力   340,746室

0.7682である。

           931室×0.7682=715.19室

が稼働室数である。

 1室の年間売上高は、

          8,993,000,000円÷715.19室=12,574,281円

である。

 1室の一日の売上高は、

          12,574,281円÷365日=34,450円

34,450円である。これが1室料金である。

 帝国ホテル側発表の34,357円と93円の差がある。これは売上高の百万円以下の端数処理の違いによるものと思われる。34,357円は適正な数値であるとわかった。

 平成28年3月期の帝国ホテル本社のホテル1室料金は、

                   34,357円

である。

 大阪の帝国ホテルの1室料金は、18,474円と発表されている。

 東京と較べて、

         18,474円
             ─────── = 0.538                               
         34,357円

およそ半値である。

 大阪の需要は、東京の半分の室料になるほど少ないであろうか。

 東京の料金の0.75程度でもよいでは無かろうか。

 平成28年3月期の帝国ホテル本社のホテル1室料金は34,357円となり、平成21年3月期(32,600円)の水準を越えた。


  鑑定コラム1219)
「帝国ホテルの1室料金は」

  鑑定コラム1363)「帝国ホテル1室料金(平成27年3月)」

  鑑定コラム1509)「2016年ホテル業界は活況のようだ」

  鑑定コラム1514)「都心5区の事務所賃料は帝国ホテル室料の3年遅れ」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ