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1649)1uの建物価格

 1uの建物価格を求める。

 東京23区マンションの還元利回りを求めるための必要データ分析の一環であることから、想定建物は、RC造の建物である。

 新築のRC造建物を考えていることから、その建物価格は、建築工事費と同じと判断出来る。

 国土交通省発表の『建築着工統計調査』によると、東京都の平成28年1月〜12月1年間のRC造の居住専用建物の建設統計統計デ−タは次の通りである。

                    棟数            2,090棟
               のべ床面積     3,208,451u
                工事予定額   94,513,914万円

 このデ−タよりu当り工事費は、

                      94,513,914万円
                  ─────────   = 29.46万円                
                       3,208,451u

である。

 東京都のRC造居住専用の建築工事費を、

                    u当り      29.46万円(注)
 
と求める。

 (注)近年鉄骨造建物、RC造建物の建築工事費が大巾に値上りしている。この原因の一つに東日本大震災による復興工事の本格化により、建設工事関係の工賃、材料費が大巾に上がり、その影響が及んでいる。

 設計監理費を1.05とする。

        29.46万円×1.05≒30.93万円

 1uの建物価格は、30.93万円である。

 23区各区の土地利用状況を表すネット容積率については、前記した。

 千代田区の場合は、409.7%の土地利用である。

 1uの建物価格に土地利用容積率を乗ずれば、1u家賃対応の立体賃貸建物の総額が求められる。

  
        309,300円×4.097=1,267,202円

 千代田区の1uの建物価格は、1,267,202円である。

 以下同様にして、23区の1uの建物価格を求める。


区名 建物単価 ネット容積率 建物価格 円
千代田区 309300 409.7 1267202
中央区 309300 552.8 1709810
港区 309300 352.3 1089664
新宿区 309300 259.3 802015
文京区 309300 234.8 726236
台東区 309300 271.1 838512
墨田区 309300 228.9 707988
江東区 309300 213.5 660356
品川区 309300 205.4 635302
目黒区 309300 157.5 487148
大田区 309300 146.7 453743
世田谷区 309300 125.8 389099
渋谷区 309300 223.7 691904
中野区 309300 149.8 463331
杉並区 309300 124.8 386006
豊島区 309300 212.3 656644
北区 309300 167.8 519005
荒川区 309300 197.3 610249
板橋区 309300 156.9 485292
練馬区 309300 123.1 380748
足立区 309300 132.2 408895
葛飾区 309300 129.2 399616
江戸川区 309300 155.0 479415


 鑑定コラム1648)「1u家賃対応の土地価格」の土地価格と、上記で求められた建物価格を加算すれば、1u家賃の基礎価格が求められる。

 これを分母にして、分子に1u家賃の純賃料を求めて計算すれば、各区の還元利回りが求められる。

 各区の還元利回りは、どの様な数値になるであろうか。


  鑑定コラム1648)
「1u家賃対応の土地価格」

  鑑定コラム1638)「賃貸マンションのレンタブル比」

  鑑定コラム1636)「東京23区の土地の高度化の使われ方を示す容積率はどれ程か」

  鑑定コラム1650)「東京23区賃貸マンションの還元利回りは2.1%〜6.0%」

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