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1763) 平成30年住宅地価上昇率上位はニセコと沖縄(1)

 2018年(平成30年)3月27日に、国土交通省は、平成30年1月1日現在の土地価格である地価公示価格を発表した。

 この価格が相続税路線価、固定資産税課税標準価格に影響を与える。また、国、都道府県、市町村の公共用地買収の価格の指標になる。

 国土交通省のプレスリリースの見出し囲み記事は、次のごとくである。
       


 「平成30年地価公示では、全国的に広くゆるやかな地価の回復傾向が明らかになりました。  特に地方では、商業地の平均が、平成4年以来26年ぶりに上昇に転じ、住宅地を含めた全用途の平均でも26年ぶりに下落を脱して横ばいに転じました。」        

 26年振りに地方圏の商業地地価は上昇に転じ、地方圏の住宅地地価は横ばいになり、下落は止まったと云う。

 つまり、平成バブルの地価高騰による地価の大幅下落の影響が、26年の時間を要してやっと払拭されたということのようである。

 平成バブルで地価暴騰を引き起こした不動産への金融の過剰流動は、不動産及び不動産価格の存在を過小評価し、それらを小馬鹿にした日銀、大蔵省の金融政策の間違いが原因しているが、そのツケを治癒するのに、日本経済は26年の時間を要したともいえる。

 その代償は大きい。しかし、当の日銀、大蔵省の官僚達は、自分達の行為を全く反省しょうとせず、再び同じ誤りを行い続けている。

 地価の行政を担当している国土交通省の官僚も、不動産に過度の金を流すと地価暴騰が発生し、その地価暴騰は日本経済に打撃を与えるから、その行為は止めろと日銀、財務省(旧大蔵省)に対して、机を叩いて、政策の変更を強行に申し立てれば良いが、それをやろうとしない。

 官僚としての目に見えない序列があるようであり、発言出来ないようだ。

 26年間の年月とはどういうものか。

 22歳で大学を卒業して、地方都市の不動産会社に入社した現在48歳以下の人々は、地価上昇とはどういうものか実務経験がなく、全く知らない。

 逆に、地価は下落するものであるという感覚で不動産業務を行っていることになる。
 
 地価行政は、日本経済に大きな影響を与えると説明しても、そのことがどういうことか、現実の土地価格の状況しか知らないことから、理解出来ない。

 国土交通省は、発表の地価公示価格の中で、住宅地、商業地の上昇率上位10の地点を発表している。

 住宅地の上昇率上位10は、下記である。


          (価格:円/u、変動率:%)  
順位 標 準 地 番 号 都道府県 標 準 地 の 所 在 地 平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
        円/u 円/u
1 倶知安−2 北海道 虻田郡倶知安町南3条東1丁目16番9外 21000 28000 33.3
2 倶知安−3 北海道 虻田郡倶知安町字山田83番29 38000 50000 31.6
3 倶知安−1 北海道 虻田郡倶知安町北7条西4丁目1番33 13500 17000 25.9
4 那覇−19 沖縄県 那覇市おもろまち3丁目6番11 230000 270000 17.4
      『おもろまち3−6−20』      
5 浦添−6 沖縄県 浦添市西原5丁目681番10 98000 115000 17.3
      『西原5−19−12』      
6 那覇−3 沖縄県 那覇市天久1丁目7番14外 228000 265000 16.2
      『天久1−7−21』      
7 北谷−3 沖縄県 中頭郡北谷町字伊平伊礼原260番7 125000 141000 12.8
      (50街区3)      
8 中城−2 沖縄県 中頭郡中城村字南上原中坂田原840番7 97200 109000 12.1
      (44街区6)      
9 那覇−23 沖縄県 那覇市首里金城町1丁目19番6 108000 121000 12
10 福岡東−42 福岡県 福岡市東区千早4丁目2872番外 158000 177000 12
      『千早4−10−1』      


 上昇率は、12.0%から33.3%である。

 その地点を見ると、上位1〜3位は、北海道のニセコである。パウダースノーという雪質に目を付けたオーストラリア人が、ニセコは世界の別荘地であると、全世界の金持ちに向かってリゾートマンション・ホテルを売り出した。

 ニセコのリゾートマンション・ホテルの価格の付方は、ドバイのリゾートマンション・ホテルの価格と比較して値段を付けるというやり方である。とても日本人の価格感覚ではない。このことについては、以前鑑定コラム1467)「国交省は何故地価上昇トップ土地の写真を載せないのか」でも記した。

 ニセコのリゾートマンションについて、もともと東急がニセコに目を付けて開発していたが、それを上記のごとくにしたのは、ニセコの雪質を知ったオーストラリア人である。

 地価公示のニセコの価格上位の発表に伴い、東急不動産の社長の大隈郁仁氏が、不動産ニュースサイト「R.E.port」の「平成30年地価公示、団体トップ等がコメント」で次のごとく述べている。

 「グループ会社の東急ステイ鰍ヘ中長期滞在型ホテル『東急ステイ』を2017年秋以降、札幌、京都、博多など地方都市へも展開し始めた。また、リゾート地では投資が活発化しているニセコエリアでスキー場を中心に事業展開している。2018年4月には長野県の軽井沢にヒルトンと、夏には新たに沖縄県でハイアットと組んでホテルを開業するほか、軽井沢では会員制ホテルの開業も予定している。」

 ニセコのリゾートマンション・ホテルの価格は、具体的にどれ程なのか。

 東急リゾートのホームページで、ニセコの売リゾート物件を捜すと、下記の1件のみあった。リゾートマンションでなく、リゾートホテルである。

 場所 北海道虻田郡倶知安町    倶知安駅約7.4km
 建物 RC造7階建の7階
 建築年 平成26年12月  
  面積 251.08u
  間取り 4LDK+メイドルーム 
 金額  48,000万円
 管理費 月額461,653円

 売リゾートホテルは、面積251.08uで、金額48,000万円である。4千800万円ではない。桁が一つ多い4億8000万円である。

 u当り価格は、

                 48,000万円
              ──────  ≒ 191万円                             
                 251.08u

191万円である。

 坪当たり換算では、

            191万円×3.30578=631万円≒630万円

である。

 管理費が月額46万円強である。年額では無い。月額である。

 上記価格はリゾートマンションの価格で無く、リゾートホテルの価格である。

 沖縄の価格については、後日に記す。


  鑑定コラム1467)
「国交省は何故地価上昇トップ土地の写真を載せないのか」

  鑑定コラム1764)「平成30年住宅地価上昇率上位はニセコと沖縄(2)」


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