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三井不動産が、平成30年3月期の決算を2018年5月11日及び5月14日に発表した。
売上高は、1兆7511億円(平成29年3月期は1兆7044億円)である。
営業利益は、2459億円(平成29年3月期は2326億円)である。
売上高、営業利益共に増額である。
前期29年3月期決算発表時に発表した来期(30年3月期)の予想売上高は、1兆7900億円であった。
1兆7511億円−1兆7900億円=▲389億円
30年3月期の売上高は、予想売上高を下回った。
その金額は、▲389億円であり、率にすれば▲2.1%程度であるから良いではないかと云う声は出よう。
その程度の誤差は当然と判断出来るが、しかし、それはその誤差程度にする為に社員の相当の努力と苦労があった結果によるものであり、社員のその努力と苦労を労ってやる必要があるのでは無かろうか。
30年3月期の予想売上高と実績売上高を見比べれば、どの部門が苦労したかが分かる。下記にそれを記す。達成率は「実績売上高÷予想売上高」の算式で求められた数値である。金額の単位は百万円。
30/3予想売上高 実績額 達成率
賃貸 547,000 558,166 1.020
分譲 544,000 499,607 0.918
マネジメント 360,000 353,813 0.983
三井ホーム 251,000 252,180 1.005
その他 88,000 87,346 0.993
計 1,790,000 1,751,114 0.978
達成率を見ればすぐ分かるが、分譲部門の0.918が、予想売上高達成の足を引っ張ったことがわかる。
分譲部門は、マンション分譲、戸建住宅分譲、投資向け分譲、海外事業分譲がある。
その中で、マンション分譲が予想外に低迷し、その低迷分を投資向け分譲で必死に補ったのでは無かろうかと私は推測する。
平成29年4月〜平成30年3月の分譲マンション業界は、プロが分譲マンションの売れ行きを見誤る程の、相当悪い販売市場状況であったと思われる。
三井不動産は、来期(31年3月期)の予想売上高は、1兆8700億円と予想する。
その中で中層住宅分譲は、30年3月期の実績売上高よりも低い金額を予想している。30年3月期の予想売上高で懲りたのか来期の売上高予想は慎重である。下記の金額である。
30年3月期実績 2469億円
31年3月期予想 2450億円
三井不動産は、分譲マンション業者としては、トップ会社であり、業界のリーデング会社である。プロである。そのプロの会社が中高層分譲住宅の売上高を減らすと云うことは、何を意味するか。
それは、分譲マンション事業は、峠を越えたと三井不動産は判断していると推測出来る。
鑑定コラム1510)「三井不動産は売上高1.75兆円を見込む」
鑑定コラム1566)「三井不動産今期売上高1.75兆円は大丈夫か」
鑑定コラム1639)「三井不動産は予想売上高を達成出来なかった」
鑑定コラム1780)「三井不動産の賃貸ビル還元利回り(償却後)は2.5%」
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