○鑑定コラム
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ
三井不動産株式会社は、平成29年3月期第2四半期(2016年4月〜9月)の決算を発表した。
その売上高は、810,979百万円であった。前年同期は796,978百万円であったから、売上高は前年同期より1.5%増加している。第2四半期での通期予想売上高は、当初の1.75兆円を変更していない。
当初予想の売上高1.75兆円の中で、最も予想売上高の伸びが大きかったのは分譲部門であった。
その売上高増加率は、34.1%を予想し、金額は525,000百万円であった。
半年が経過し、分譲部門の売上高は、241,844百万円である。
1年の半分が過ぎていることから、通期予想の単純半分とすれば、
525,000百万円÷2=262,500百万円
9月末の売上高は、262,500百万円と計算される。
現実の売上高とのギャップは、
241,844百万円−262,500百万円=▲20,656百万円
▲206億円の不足である。
今期後半の2四半期で、
262,500百万円+20,656百万円=283,156百万円
の売上高は可能であろうか。
前半の2四半期で241,844百万円であった。それよりも更に41,312百万上乗せした売上高が可能であろうか。
担当部門の社員は、部長命令でしゃかりきになって当初予想売上高達成に猛烈に働いているのではなかろうか。
不動産を取りまく環境は、後半期は前半期よりも良いであろうか。
2016年11月13日の日本経済新聞のトップ記事は、平成29年3月期決算の上場企業の第2四半期決算書が出そろったことから、同社調べの平成28年4月〜9月までの上場1501社(上場会社の95%)の前年同期の経営状況を報告している。
それによれば、下記である。
売上高 6%減
経常利益 13%減
純利益 11%減
上場企業の売上高は減少し、経常利益も純利益も減益と言うのが、現在の日本の経済状況である。
前半期(上半期)決算を集計した日本経済新聞社は、上記日経新聞で「上半期としては5年ぶりの減収減益になった。」と云う。上場企業の5年振りの減収減益である。日本経済は1つの曲がり角に来ているようである。
企業経営者は、減収減益では従業員の給与アップには尻込みする。
分譲マンションの購入者の主要顧客階層である中堅会社員の給与アップが見込めないとなると、分譲マンションは、前半期を遙かに超えて売れるのか。
三井不動産の今期1兆7500億円の予想売上高達成は大丈夫か。
分譲部門の売上高減を補う他の部門の売上高増があれば良いが。
不動産業界の雄である三井不動産が、予想売上高達成出来ないとなった場合、それは不動産業の我が世の春は峠を越えたと判断されることになる。
鑑定コラム1510)「三井不動産は売上高1.75兆円を見込む」
鑑定コラム1517)「三井不動産の売上高と23区住宅地価格」
鑑定コラム1568)「日銀ょ 12兆円も不動産業に金を流してどうするのか」
鑑定コラム1639)「三井不動産は予想売上高を達成出来なかった」
鑑定コラム1779)「三井不動産予想売上高の足を引っ張った分譲部門(30年3月決算)」
▲
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ