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焼き鳥『鳥貴族』の平成30年8月〜11月の新店舗13店の投下資本は、前記鑑定コラム1895)から、3855万円である。
この金額には、保証金も含まれている。
保証金の総額は、平成30年7月期の鳥貴族の有価証券報告書によれば、1,773,849千円である。
平成30年7月期の店舗数は、665店舗である。
1店舗の平均保証金は、
1,773,849千円
──────── = 2,667千円
665
である。
38,550千円−2,667千円= 35,883千円≒35,900千円
焼き鳥『鳥貴族』の平均店舗造作設備費は3590万円である。
同有価証券報告書の有形固定資産等明細表の付属明細表(p69)において、平成30年7月期の有形固定資産の増加額の金額が記されている。下記である。
建物 新規出店店舗 3,160,186千円
工具、器具及び備品 新規出店店舗備品 123,799千円
リース資産 新規出店店舗厨房機器及び店舗機器等
637,168千円
合計 3,921,153千円
上記建物等の価格割合を求めると、下記である。
建物 新規出店店舗 0.806
工具、器具及び備品 新規出店店舗備品 0.032
リース資産 新規出店店舗厨房機器及び店舗機器等
0.162
合計 1.000
上記価格割合より、焼き鳥『鳥貴族』の平均店舗造作設備費等は、下記と分析される。
建物 2894万円
工具、器具及び備品 115万円
リース資産 581万円
計 3590万円
上記金額、割合は、飲食店の明渡立退料を求める時の、造作、器具・備品、厨房費を算出する時の参考になるであろう。
明渡立退料の不動産鑑定書で、造作、器具備品等は、古く償却期間を過ぎているからと言って、0円とする鑑定書に遭遇する時がある。
店舗立退を要求していて、上記のごとく古いから償却済であるから0円であると言って、店舗賃借人を立ち退かせようとする貸し主、そうした鑑定書を書く不動産鑑定士は、店舗賃借人の財産価値を何と心得ているのであろうか。
賃借人は、店舗を明け渡すには、他の店舗を捜し、そちらに移らなければならない。店舗の賃貸借契約はスケルトンでの賃貸借契約が原則である。
賃借人は移転先の店舗に移るとしても、スケルトンの状態であるから、移転先の店舗の内装費を自分で出して店舗移転しなければならない。
内装工事の必要でない店舗を捜せば良いではないかと反論する人が必ずいるが、都合よくその様な万能向きの店舗などあるものではない。
店舗の賃貸借はスケルトンによる契約であるということが、賃貸店舗の原則である。このことを明渡立退を要求する人、明渡立退料の不動産鑑定評価を行う不動産鑑定士は、認識しておかなければならない。
移転先の内部造作費を出さなくて、明渡立退を要求する貸し主、不動産鑑定士は、賃借人の財産権の侵害を犯しているのである。
移転先の内装工事費を補償してくれなくては、賃借人は、移転したくとも、移転出来ない。身銭を切ってまで移転するほど人の良い賃借人はいないであろう。
当然居座らざるを得ない。居座る賃借人を非難・批判することは出来ない。
出すべきものを出さずして、非難、批判する人の方がどうかしている。
鳥貴族の一店舗の平均客室数は71席である。
店舗面積1坪で客席2席とすると、71客席の店舗面積は、
71÷2=35.5坪
35.5坪となる。
鳥貴族の平均店舗造作設備費は3590万円である。
坪当りの費用は、
3590万円÷35.5坪≒101万円
101万円である。
なお上記金額をより簡単にすると、平均席数は、71席であるから、
3590万円÷71=50.5≒51万円
1席当り51万円である。席数に51万円を乗じれば、造作費等の金額を求めることが出来る。
鑑定コラム1895)「焼き鳥『鳥貴族』の店舗当り平均客席数は71席」
鑑定コラム851)「飲食店舗の造作費は坪当り66万円」
鑑定コラム1899)「焼き鳥「鳥貴族」の家賃は売上高の7.9% 平成30年7月期」
鑑定コラム1900)「焼き鳥『鳥貴族』の客単価は2050円」
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