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1983) 石川県住宅地価上昇率千葉県を上回り0.4%アップ

 国土交通省は、2019年9月19日(木)に、7月1日時点の基準地価格を発表した。

 発表地点は全国約21,500地点の土地価格という。

 商業地の全国平均は、1.7%の上昇である。住宅地の全国平均は▲0.1%の下落である。

 都道府県の住宅地価の変動率を、変動率の高い順に記すと、下記である。


地域名 地価変動率% 
沖縄 6.3
東京 2.5
福島 2.0
福岡 1.7
宮城 0.9
愛知 0.9
埼玉 0.7
石川 0.4
大阪 0.4
千葉 0.3
神奈川 0.1
京都 0.1
広島 0.1
熊本 0.1
大分 0.1
全国 -0.1
富山 -0.2
香川 -0.3
茨城 -0.4
佐賀 -0.4
北海道 -0.5
山口 -0.6
宮崎 -0.6
山形 -0.7
栃木 -0.7
高知 -0.7
岩手 -0.8
長野 -0.8
滋賀 -0.8
兵庫 -0.8
新潟 -0.9
群馬 -1.0
静岡 -1.0
鳥取 -1.0
岡山 -1.0
徳島 -1.0
長崎 -1.0
青森 -1.1
奈良 -1.1
和歌山 -1.2
島根 -1.2
鹿児島 -1.3
山梨 -1.4
岐阜 -1.4
三重 -1.5
愛媛 -1.5
福井 -1.6
秋田 -2.0




              1位     沖縄        6.3%
              2位     東京        2.5%
              3位     福島        2.0%
              4位          福岡        1.7%
              5位     宮城        0.9%
              5位     愛知        0.9%
              6位     埼玉        0.7%
              7位     石川        0.4%
              7位     大阪        0.4%
              8位     千葉        0.3%
              9位     神奈川      0.1%
              9位     京都    0.1%
              9位     広島        0.1%
              9位     熊本    0.1%
              9位     大分    0.1%

 2018年7月〜2019年7月の1年間で、住宅地価が上昇した都府県は、上記の15都府県である。

 住宅地上昇率トップは、沖縄県である。沖縄県のトップ地価については、稿を改めて述べたい。

 東京都の住宅地価が上昇するのは、商業地の上昇から推測すれば当然と思われる。

 東京都の商業地価の平均上昇率は6.8%に比し、住宅地価の平均上昇率は2.5%である。

 黒田日銀の超超超金融緩和の影響は、お膝元の東京の住宅地価までは多くの金は流れていないようである。

 首都圏住宅地の平均変動率をまとめると、下記である。

                  東京都    2.5%
                  神奈川    0.1%
                  千葉     0.3%
                  埼玉     0.7%

 住宅地価の上昇率を見ると、石川県が0.4%アップで、大阪と同じ上昇率に驚く。

 石川県の上昇率は、首都圏の千葉、神奈川よりも高い上昇率である。

 この石川県の上位7位という住宅地価の上昇率は、何が原因なのか。

 北陸新幹線開通の影響なのか。この影響はある。

 そうであるとしても北陸新幹線が開通した富山県は、▲0.2%の下落である。

 石川県が値上りし、富山県は値下がりしている。この差は何なのか。北陸新幹線の開通の要因の他に何かがある。

 土地価格が値上がりするということは、土地に投資する人が多いということの証しである。

 住宅地の場合には、住宅地の需要が増えていると言うことになる。

 石川県と富山県と比較すれば、石川県の方が富山県よりも住宅の需要が多いことが、土地価格の変動に反映されていると予測される。この考えを仮説とする。
 
 さてその仮説は果たして当たっているであろうか。データで立証されるのか。

 石川県、富山県のそれぞれの県が発表している建設統計の新設住宅着工戸数を見ると、下記である。単位戸。

        年度          石川県           富山県          戸数差

平成25年度    7,421      6,130 1,291 平成26年度    6,766      5,527 1,239 平成27年度    7,083      6,261 822 平成28年度    7,867      7,249 618 平成29年度    7,716      6,588 1,128 平成30年度    7,980      6,400 1,580 令和元年4〜7月  3,041      2,211 830 合計 47,874 40,366 7,508

 石川県の方が富山県より新設住宅着工戸数は多い。土地投資が石川県の方が多く行われている。

 平成29年度〜30年度にかけて石川県の住宅着工数の伸びが富山県より大きい。

 令和元年4〜7月の4ヶ月の着工数を単純に3倍すると、

        石川県  3,041×3=9,123戸
        富山県  2,211×3=6,633戸
        戸数差       2,490戸
となる。

 この影響が住宅地価格の変動に大きく影響を与えていると思われる。前記の仮説は立証される。


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