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公益社団法人京都市観光協会が、2020年6月30日に「京都市観光協会データ月報(2020年5月)」を発表した。
2020年5月における京都のホテルの客室稼働率は、6.5%であった。
4月は5.8%であり、前月よりは客室稼働率は増えたが、増え方は僅かであり、増えたからといって、ホテル経営が利益出る状態になったかというと、その状態からは程遠い。
4月に京都のホテル稼働率が5.8%になったことを知った時の私の驚きの衝撃は激しかった。
5月の6.5%の客室稼働率を知って、なお衝撃は続く。
6月以降の観光客の見込みについて、同月報は「6月以降活動再開の兆し」の表題で、下記のごとくの楽観的な見通しを記している。
「6月19日には、全国的に、都道府県を跨ぐ移動や旅行も解禁され、8月以降には国が主導する大規模な観光振興キャンペーンも予定されている。これを受けて、宿泊予約サイトにおける客室販売価格は、5月以降上昇が続いており、夏休み以降の需要に対する期待感が現れている。」
京都市が期待する「8月以降には国が主導する大規模な観光振興キャンペーン」は、前倒しで7月22日から実施された「GO TO トラベル」である。
宿泊料金を半額にするという政策である。宿泊料金を半分にするとは、ホテル等の宿泊施設が半分負担するということでなく、政府が負担するというものである。
観光で人を移動させて旅行業者、宿泊施設に金を落とさせようとする政策で、1.7兆円の予算を付けている。
この政策は8月からの実施であったが、あまりの観光業の不振に政府は動き、7月に前倒し実施しょうとした。
しかし都知事選(7月5日投票)を終えた途端に、東京の新型コロナウイルスの感染者が急激に増え出した。
7月9日 224人
7月10日 243人
7月16日 286人
7月17日 293人
7月18日 290人
再選した小池都知事は、新宿歌舞伎町のホストクラブ・キャバクラの集団発生と検査数が増えた事による結果であると、自分の無策の結果であることを回避する発言をした。
全国の知事は、コロナ感染者が増加している東京から感染者が来県してもらっては困ると云いだした。しかし観光客は来て欲しい。
安倍内閣は、突如、東京を宿泊費半額の対象に外して「GO TO トラベル」を2020年7月22日より始めると発表した。
小池都知事が、新型コロナウイルス撲滅に積極的に取り組まないために感染者が東京で急増し、政府政策の足を引っ張ったことに、安倍内閣は業を煮やし、小池知事に「東京対象外し」という面当てをした。
新型コロナウイルス感染が日本全国で増えだした。第2波の襲来ではないかと云われ出した。その大半の原因が、東京に行って感染したという情報ばかりである。
東京はコロナウイルスが空中に蔓延しているごとくの報道スタイルである。
「GO TO トラベル」政策は、新型コロナウイルス感染が終わった後に行う政策であった。
同感染が終了している訳では無いのであるから、その政策は実施すべきではない。
この「GO TO トラベル」政策が発表された時、海外のメデイアが報道し、その報道で知った海外の人々が、「日本政府が旅行費用の半分を負担してくれるという。コロナが終わったら日本に旅行しよう」という動きがあった。
この動きについて、2020年5月31日 15時0分のJ-CAST会社ウォッチに井津川倫子氏が、「「コロナが終息したら、日本へ半額で行ける!」 世界が「歓喜」したはずがデマ認定でがっかり」という表題の記事で述べている。
英紙ミラーが報道したことに、日本政府は慌てて、日本国内の日本人だけが対象であると云うことを海外に伝えた。
そんな事があったのかと、観光庁のホームページを訪れて、事実を確かめようと、ニュースリリースを探したら、2020年5月27日付で「一部報道関係機関において発信されている、Go Toトラベル事業(仮称)に関する誤った情報について」表題の下記発表文が見つかった。
「観光庁トピックス 2020年5月27日
一部報道関係機関において発信されている、「日本政府は、外国人旅行者に日本を訪れて頂くため、旅行費の半額を支援するキャンペーンを検討している」旨の報道について、事実誤認に基づく内容が含まれているため、社会的影響に鑑み、下記の通りお伝えいたします。
正確には、日本政府として検討しているGo Toトラベル事業(仮称)は、日本国内での旅行需要喚起のため、日本国内居住者を想定し、「日本国内における宿泊旅行の費用等を支援するキャンペーン」を実施しようとするものです。
報道関係機関の皆様におかれましては、ご留意いただきますよう、お願いいたします。」
海外で、半値で日本に旅行出来るという噂が広まっていたことは事実のようである。
京都市が観光客を京都に呼び込もうとするのであれば、その先に、京都は新型コロナウイルス感染に対して安全都市ですという事をアピールするために、市民全員のPCR検査をして、隠れ陽性者を見つけ隔離し、市民全員が陰性であるということをアピールすることである。
政府も宿泊費の半値を負担するのであれば、「GO TO トラベル」利用者は全員PCR検査を義務づけ、陰性者のみに適用すると云う方策をとるべきであろう。
陰性者の観光客が訪れてくれると云うのであれば、観光客を受け入れる地方も快く受け入れてくれるであろう。
何故、PCR検査を利用しないのか、私には理解し難い。余程PCR検査をしたくない何かがあるようだ。
隠れ陽性者を見つけ出さない限り、新型コロナウイルスの感染は鎮まらない。
経済の活性化もならない。
来年に延びた東京オリンピックも中止せざるを得なくなるであろう。
鑑定コラム2095)「衝撃 京都のホテル客室稼働率5.8% 2020年4月」
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鑑定コラム2169)「2020年10月京都のビジネスホテル料金6011円 前月比+5% 底値脱出」
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