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2212)4都市のビジネスホテル料金と新型コロナウイルス感染者数の関係

 新型コロナウイルスが日本に上陸し、感染が広まるにつれて人の移動が自粛され、それに伴い、ホテルの料金が下がり始めた。

 その兆候を嗅ぎ取り、ビジネスホテルの料金が新型コロナウイルス感染に伴いどこまで下がるのかと思い、両者の関係を知るために毎月料金の調査を行って来た。

 2020年2月〜2021年1月までの1年間に渡り、東京、名古屋、京都、大阪の4都市のそれぞれの玄関駅近くのビジネスホテルの月中央付近の平日の料金を調べてきた。

 毎月、その結果を鑑定コラムに記して来た。

 大阪の記事アップで4都市のビジネスホテル料金の1年間の調査を成し遂げる事が出来た。

 そして4都市のビジネスホテル料金と各都市の新型コロナウイルス感染者数との関係も分析して分かった。

 各都市の分析では、その都市の限定的分析となる。

 4都市の平均値で分析すれば、ビジネスホテル料金と新型コロナウイルス感染者数の関係の一般的な分析結果として利用出来るものと判断される。

 下記に4都市のビジネスホテル料金と新型コロナウイルス感染者数の関係を分析する。

 4都市のビジネスホテルの平均料金は、下記である。単位は円である。


年月 東京 名古屋 京都 大阪 平均
2020年2月 10498 7518 7441 7221 8170
2020年3月 9737 7441 6732 7066 7744
2020年4月 9988 6585 6967 7144 7671
2020年5月 8122 5695 6776 7509 7026
2020年6月 6760 5261 6300 6682 6251
2020年7月 6152 5259 6129 6298 5960
2020年8月 5981 5657 6185 5636 5865
2020年9月 5156 5336 5739 5754 5496
2020年10月 5746 5932 6011 5904 5898
2020年11月 6196 5872 6580 5750 6100
2020年12月 6038 6082 5767 5864 5938
2021年1月 5572 5246 5823 5381 5506


4都市の新型コロナウイルスの毎月最高感染者数の平均数は、下記である。単位は人である。


年月 東京 名古屋 京都 大阪 平均
2020年2月 8 5 1 2 4
2020年3月 78 13 13 28 33
2020年4月 206 21 18 92 84
2020年5月 165 3 5 17 48
2020年6月 60 3 4 7 19
2020年7月 462 199 41 221 231
2020年8月 472 181 41 255 237
2020年9月 276 49 18 120 116
2020年10月 248 97 29 143 129
2020年11月 569 234 49 490 336
2020年12月 1337 294 135 429 549
2021年1月 2447 431 154 654 922


 4都市のビジネスホテル平均料金をY、4都市各月最高新型コロナウイルス平均感染者をXとする。

 縦軸にY、横軸をXとして、データをプロットすると、下図である。

 


4都市コロナ感染者数とホテル料金




 XYの関係式をエクセルの近似式計算で求めると、


              Y=8795.5Xの-0.0683乗
の累乗方程式が求められた。決定係数は0.57であり、相関係数は0.75となる。相関関係は高い。

 感染者10人の場合のビジネスホテル料金を求めると、下記である。
       10の-0.0683乗=0.854476
              8795.5×0.854476=7515円
7,515円と求められる。

 上記の求め方で各感染者数のビジネスホテル料金を求めると、下記である。

             感染者数        ビジネスホテル料金
               10人                      7515円
               25人                      7059円
               50人                      6733円
              100人                      6423円
              200人                      6124円
              300人                      5957円
              400人                      5841円
              500人                      5753円
              600人                      5682円
              700人                      5622円
              800人                      5571円
              900人                      5526円
             1000人                      5487円
             1200人                      5419円
             1500人                      5337円

 新型コロナウイルス感染者の増減によってビジネスホテル料金の増減をどうしたら良いのかと判断するのに困った場合、現行料金に上記料金の増減割合を利用して料金増減すれば、それぞれの地域の料金を決定することが出来、料金決定に自信が持てるのではなかろうか。

 ホテル料金を知ってどうするのだと思われる人がいるであろうが、ホテル宿泊料金とホテルの売上高とは密接な関係がある。

 そしてホテル売上高とホテルの価格とは、これまた密接な関係がある。

 鑑定コラム1067)で、私は次のごとく記している。

 「ホテルの売上高と価格とは密接な関係があることから、私は、ホテルの価格は、ホテルの年間売上高の金額に対して原則として1.0倍(つまり売上高の金額がホテルの価格相当と云うこと)、リゾートホテルの価格は売上高の0.5〜1.0倍、シティホテルの価格は売上高の1.0倍〜2.0倍以下」

と記している。

 ホテルの売上高とホテル価格とは密接な関係にあり、ホテルの不動産鑑定において、ホテル料金の分析は不可欠なデータである。

 そういう事もあって、1年間ビジネスホテルの料金を追っかけてきたのである。

 と云って、ホテルの不動産鑑定評価があるとは限らないが。


  鑑定コラム1067)「売上高の2.8倍のホテル価格」

  鑑定コラム1481)「600億円のホテル売買」

  鑑定コラム2211)「大阪のコロナ感染者数とビジネスホテル料金の関係」

  鑑定コラム2206)「京都のコロナ感染者数とビジネスホテル料金の関係」

  鑑定コラム2208)「愛知県のコロナ感染者数と名古屋ビジネスホテル料金の関係」

  鑑定コラム2202)「新型コロナウイルス感染者数と東京ビジネスホテル料金」


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