○鑑定コラム



フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

634)給与収入に占める地代負担率7.7%

 借地の上に、自分の戸建住宅を建てて住んでいる方々は、多くおられると思う。
 給与収入に占める戸建住宅の地代の割合は、どれぐらいであろうか。

 民間の事業所に勤務する人の給与の平均は、430万円であると、鑑定コラム595)「平成20年の給与は430万円」で記した。

 この数値は国税庁の調査によるもので、民間の事業所に勤務する5,474万人によるデータの数値である。信頼出来るしっかりした数値であり、反論出来る余地の無い数値である。

 定期借地権の地代の分析結果を、鑑定コラム631)「戸建住宅定期借地権の地代はu当り138円」で記した。

 その分析で、定期借地権の戸建住宅の平均地代は、月額27,700円と求められた。

 年額では、
       27,700円×12=332,400円
である。

 この地代は定期借地権の地代で、旧借地法の地代水準より高い水準ではあるが、給与所得者の地代として支払える上限の金額と考えられる。

 給与収入に占める地代の負担割合を求めると、

         年間支払地代
               ────────  = 戸建住宅地代負担率             
         年間給与収入

とすると、

         332,400円
             ────────   = 0.077                           
        4,300,000円
 
である。

 給与収入に占める戸建住宅地の地代負担割合は、7.7%である。

 居宅住宅の地代の増額請求訴訟で、高い地代請求を要求された場合には、地代支払いの限界は、現在の自分の給与収入の7.7%であると反論することも可能では無かろうか。

 無い袖は振れない。支払う余裕が無いという主張も、7.7%の割合を根拠にしての主張であれば、それなりの言い分としての理はあると私は思う。

 但し、現行地代が7.7%より低額にある場合には、この論法は使え無いということは、改めて云わなくても分かろう。

 7.7%の数値とぴったり一致する訳では無いが、地代に関して7%の数値はどこかで見た数値ではなかろうか。

 家賃と地代との関係について、著書『賃料<地代・家賃>評価の実際』P351(プログレス)において、住宅地の家賃に対する地代の割合は、7.2%という分析を述べている。

 住宅地の地代は、その土地の上に建つ賃貸住宅の家賃の額に対して平均7.2%であると、私は上記著書で分析して記した。

 この分析割合については、本鑑定コラム226)「家賃より地代を求める家賃割合法」の記事で紹介している。

 両者の分析では、

                                   
    給与収入に占める戸建住宅の地代負担率   7.7%
    住宅地の家賃収入に占める地代割合     7.2%
  
である。

 地代の分析結果において、偶然にしては数値が近接しすぎて居る。
 両者の間には、何か密接な関係があるのでは無かろうか。


 鑑定コラム631)「戸建住宅定期借地権の地代はu当り138円」

 鑑定コラム226)「家賃より地代を求める家賃割合法」

 鑑定コラム595)「平成20年の給与は430万円」


 賃料<地代・家賃>評価の実際』(プログレス)についての書籍案内は、下記アドレスです。
http://www.progres-net.co.jp/books.html#tinryou


  鑑定コラム884)「定期借地権の地代は、公租公課の7倍前後」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ