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一般社団法人住宅生産団体連合会(会長 芳林敬一大和ハウス工業株式会社代表取締役社長)の『2020年度戸建注文住宅の顧客実態調査』によれば、建て替えるまで住んでいた住宅の平均築年数は39.0年であった。
住宅生産団体連合会は、同調査を2000年(平成12年)から、発表している。
その目的については、「この調査は、戸建注文住宅を建築された顧客の実態を明らかにすることにより、今後の戸建注文住宅の顧客ニーズの変化を把握し、これからの社会にふさわしい住宅の供給を目指すことを目的として平成12年度から開始し」たと述べる。
その調査の中で、建て替えるまで住んでいた住宅の築年数を調査して、経年の平均を発表している。
調査が始まった2000年度(平成12年度)からの建築経過年数は、下記である。
2000年度 29.6年
2001年度 30.4年
2002年度 30.3年
2003年度 31.6年
2004年度 32.1年
2005年度 32.6年
2006年度 32.5年
2007年度 33.3年
2008年度 33.0年
2009年度 34.0年
2010年度 34.3年
2011年度 36.4年
2012年度 36.4年
2013年度 38.3年
2014年度 36.2年
2015年度 38.3年
2016年度 36.8年
2017年度 37.0年
2018年度 39.4年
2019年度 39.7年
2020年度 39.0年
20年の間に木造住宅の建築年数は、
39.0年−29.6年=9.4年
9.4年伸びた。1年当りにすると0.47年の耐用年数の伸長である。
建築技術の進歩、建材等の進化によるものと思われる。
建築経過年数の推移をグラフに示すと、下記グラフである。
19年前の2002年1月13日に発表した鑑定コラム1号の「木造30年」のコラム記事で、住宅生産団体連合会の調査による建て替えるまで住んでいた住宅の築年数の調査結果を見て、木造建物の経済的耐用年数について、
「今迄鑑定評価で木造住宅の耐用年数を20〜25年として計算していたが、今後は30年として計算した方が良いかもしれない。」
と記している。
その30年算出の根拠として住宅生産団体連合会の調査による2000年度が29.6年、2001年度が30.4年の建築経過年数を見て、その様に判断している。
その後、2012年5月20日鑑定コラム909)「木造住宅建物の寿命は34年と伸びる」で、住宅生産団体連合会の2010年(平成22年)の調査で建替の建物の経過年数が34.3年となっている事から、以下のごとく述べている。
「不動産鑑定評価において、木造住宅建物の経済的耐用年数は、上記データからアローアンスを10%見ると、
34年×(1-0.1) = 30.6年 ≒ 30年
である。もう25年で無く30年と考えても良さそうだ。しっかりしたデータに裏付けされることから。」
この様に記して、それ以降、木造住宅の経済的耐用年数を30年としている。
2020年の住宅生産団体連合会調査の建替の建物の経過年数が39年である事から、2010年に木造住宅の経済的耐用年数を30年としたごとく、アローウアンスを10%とみて、
39年×(1-0.1)=35.1年≒35年
木造住宅の経済的耐用年数を35年と考えてもよいでは無かろうかと判断する。
これから木造住宅建物の経済的耐用年数を35年として鑑定評価しょう。しっかりした証拠に基づく判断であるから。
既に、木造住宅建物の経済的耐用年数を35年として鑑定評価している不動産鑑定事務所はあるかもしれなく、私の判断は遅いと叱責されるかもしれない。
鑑定コラム2306)「住宅の平均耐用年数は39.0年(2020年)」
鑑定コラム1)「木造30年」
鑑定コラム909)「木造住宅建物の寿命は34年と伸びる」
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