○鑑定コラム
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ハウスメーカーの大和ハウス工業の会長である樋口武男氏が、つい2ヶ月弱前(平成24年3月)まで、日本経済新聞に『私の履歴書』を書いていた。
私は、この『私の履歴書』によく目を通している。
そこに綴られる文章は、新聞本紙の記者の綴る書き慣れ、練られた文章でも無く、学者が書く観念的な言葉が続く文章ではない。
そこに書かれている文章は、ごつごつし、主語、述語が時々分からない文章もあり戸惑う時もあるが、語られる内容は、書く本人の人生の足跡の記録であり、泥臭さもあるが、人間性が出ていて面白い。
樋口武男氏の猛烈社員ぶりの面目躍如の『私の履歴書』である。
大和ハウス工業という会社の猛烈さは、同社に入っている大学同窓の人々や知人から聞いていた。
樋口武男氏の『私の履歴書』の中で、氏が社団法人住宅生産団体連合会の会長をしていることを知った。
社団法人の名前を見たとき、ずっと以前、同社団法人の調査データを利用したことを思い出した。
現在も同様な調査をしているであろうかと思い、社団法人住宅生産団体連合会のホームページを訪問してみた。
同社団法人は『戸建注文住宅顧客実態調査』を引き続き行っていた。
その調査では、建替における従前住宅の平均築年数の調査が行われている。
その調査結果によると、建替による建物の築年数は、
2010年(平成22年) 平均築年 34.3年
であった。
つまり、新築建物に建て替えることになった従前の木造建物の経年は、平均で34.3年ということである。
同社団法人調査による過去の築年数は、下記の通りである。
2004年(平成16年) 32.1年
2005年(平成17年) 32.6年
2006年(平成18年) 32.5年
2007年(平成19年) 33.3年
2008年(平成20年) 33.0年
2009年(平成21年) 34.0年
2010年(平成22年) 34.3年
2002年(平成14年)1月に、私はホームページを立ち上げだ。
その鑑定コラム第1号が「木造30年」と云う記事であった。
その記事は、社団法人住宅生産団体連合会の今回と同じ調査による結果を引用したものであった。
それは、2001年(平成13年)2月の同社団法人の調査では、平均築年数は29.6年あるという内容のものであった。
9年の時間の経過に伴って、建物の平均築年数は4.7年伸びた。
木造住宅建物の実用生活的耐用年数は、伸びつつあるようだ。
2年間当りで建物寿命は1年延びている。
不動産鑑定評価において、木造住宅建物の経済的耐用年数は、上記データからアローアンスを10%見ると、
34年×(1-0.1) = 30.6年 ≒ 30年
である。もう25年で無く30年と考えても良さそうだ。しっかりしたデータに裏付けされることから。
鑑定コラム1)「木造30年」
鑑定コラム337)「経済的耐用年数とは」
鑑定コラム604)「SRC造ホテルは48年しか持たない」
鑑定コラム979)「オムロン社名の由来は京都の御室」
鑑定コラム1086)「建替の前の住宅建物の建築年数は36.4年(2011年度)」
鑑定コラム1216)「住宅建物の経済的耐用年数は36.4年(2012年度)」
鑑定コラム1641)「大和ハウス工業の売上高 3兆5129億円」
鑑定コラム1926)「大和ハウス工業の売上高が4兆円を越えた」
鑑定コラム2307)「木造住宅の経済的耐用年数は35年に伸びたか」
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