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日本の不動産会社の雄の一つである三菱地所の貸ビルの空室率が、今年(2005年)1月より急激に下がっている。つまり空室率が改善し、空室が無くなりつつあるということである。
三菱地所のホームページ発表の、ここ1年間の空室率の数値を追うと、以下の通りである。
全国全用途空室率である。全用途とは事務所・店舗・倉庫をいう。
2004年9月 4.25%
〃 10月 4.41
〃 11月 4.68
〃 12月 4.52
2005年1月 4.07
2月 3.55
3月 2.77
4月 2.66
5月 2.40
6月 2.55
7月 2.17
8月 2.15
9月 2.25
2005年1月が4.07%であったのが、8ヶ月後の2005年9月には2.25%の空室率である。
8ヶ月で1.82%の空室率の減少改善である。
2004年9月からみると2%の空室率の減少である。
たかが2%と思われるかもしれないが、50万平方メートルの貸ビル賃貸面積で考えれば、
500,000×0.02=10,000
10,000平方メートルの空室が埋まったことである。
これは大変なことである。
かつて2年前の2003年9月には、空室率は7.53%という空室率最高の数値を示していたのである。
このことを考えれば、2年間で2.25%の空室率になってきたということは、事業拡大に伴い事務所スペースが必要となり、事務所を借りる会社が急激に多くなったということである。
事務所面積が増えるということは、賃料を払って、そこを使う人がいるということになる。
その事務所が管理部門で、本社機能の増床ということであれば、その事務所部分を使用する人達の人件費等がかかる。
その費用を賄うのは、地方の支店・営業所・工場が稼ぎ出す利益である。
つまり、企業の売上もしくは営業利益が充分増加する見込みが無ければ、賃貸事務所の借増はあり得ない。
こうしたことを考えると、空室率が2%の前半台になったということは、企業の事業活動が本格的に活発化してきたということの何よりの証しである。
「いやそれは大手不動産会社の三菱地所の話であって、中小の貸ビルの空室率は大きい。」
という反論は必ずあろうが、まず大手の貸ビルの空室率が改善されなければ、次は改善されない。
中小の不動産会社の貸ビルが、不動産業界で時代の最先端を走っており、不動産業界を代表し、リードしている会社であるとでもいうのであろうか。
日本経済は不況から完全に脱却したと、前記貸ビル空室率の数値は云っているのではないかと私には思われる。
三菱地所の貸ビルの空室率の2004年9月以前については、下記の鑑定コラムに記載してあります。
鑑定コラム193「ある大手不動産会社の賃料と空室率」
(2005年11月27日追記)
上記鑑定コラムの記事は、2005年11月23日に発表した。
4日後の2005年11月27日の日本経済新聞が、「上場企業の2006年3月期の配当が、過去最高の3兆7千億円になる」と予測する記事を発表した。
配当性向は24.4%と前期と変わらないが、純利益が24%増えるという。
上場企業1810社のうち増配が444社、復配が33社になるという。
この日本経済新聞の「上場企業の増配・復配の過去最高金額」という記事は、日本経済は不況を完全に脱したということの一つの証拠になるのでは無かろうか。
鑑定コラム5「空室率4%」
鑑定コラム922「都心5区空室率9.4%と過去10年で最高」
鑑定コラム924)「ビル空室率は不動産業株価と逆比例の関係」
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