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2020年2月より東京駅周辺のビジネスホテル料金を調べてきた。
この料金と2020年2月〜2022年11月迄の総務省統計局が発表している東京区部消費者物価指数の中の宿泊料(2020年=100)の関係を分析して見た。
東京駅周辺ビジネスホテル料金と総務省発表の東京区部消費者物価指数の中の宿泊料は下記の通りである。但し、東京区部消費者物価指数の中の宿泊料は、東京区部消費者物価指数の中の宿泊料(注)とする。何故(注)書きするかは、本コラムを最後まで読んで頂ければわかります。
年月
|
東京料金 円
|
東京区部消費者物価指数宿泊料(注)
|
2020年2月
|
10498
|
118.2
|
2020年3月
|
9737
|
118.0
|
2020年4月
|
9988
|
119.2
|
2020年5月
|
8122
|
119.5
|
2020年6月
|
6760
|
111.0
|
2020年7月
|
6152
|
104.8
|
2020年8月
|
5981
|
88.3
|
2020年9月
|
5156
|
80.2
|
2020年10月
|
5746
|
72.9
|
2020年11月
|
6196
|
72.6
|
2020年12月
|
6038
|
79.7
|
2021年1月
|
5572
|
113.6
|
2021年2月
|
5055
|
111.4
|
2021年3月
|
5792
|
111.5
|
2021年4月
|
6002
|
112.4
|
2021年5月
|
5903
|
116.2
|
2021年6月
|
5669
|
111.7
|
2021年7月
|
6123
|
123.0
|
2021年8月
|
5930
|
129.5
|
2021年9月
|
5546
|
114.7
|
2021年10月
|
5900
|
115.9
|
2021年11月
|
6628
|
114.4
|
2021年12月
|
7031
|
114.8
|
2022年1月
|
7223
|
114.2
|
2022年2月
|
6946
|
118.1
|
2022年3月
|
6792
|
117.7
|
2022年4月
|
7840
|
119.3
|
2022年5月
|
8261
|
122.2
|
2022年6月
|
8006
|
115.7
|
2022年7月
|
8934
|
123.2
|
2022年8月
|
7894
|
133.2
|
2022年9月
|
8638
|
122.3
|
2022年10月
|
10379
|
104.2
|
2022年11月
|
13584
|
91.4
|
上記データを、左縦軸に東京駅周辺ビジネスホテル料金、右縦軸に東京区部消費者物価指数・宿泊料(注)を取って図示すると、下記のグラフである。桃色線が東京駅周辺ビジネスホテル料金である。
両者のグラフを比較する。
東京駅周辺ビジネスホテル料金を「ビジネスホテル料金」と呼ぶ。東京区部消費者物価指数・宿泊料(注)を「区部宿泊料」と呼ぶ。
ビジネスホテル料金と区部宿泊料は、2020年2月〜2020年12月まではほぼ同じ傾向にあり、相関関係があると認められる。
2020年12月以降は両者の間には相関関係が無い。
区部宿泊料は2020年12〜2021年1月にかけて急激に宿泊料が上昇しているが、ビジネスホテル料金には、その様な動きは無い。
区部宿泊料は2021年8月、2022年8月に宿泊料が前月に比し上昇しているが、ビシネスホテル料金にはその様な傾向は無い。逆に「ニッパチの不景気」の諺を具現するごとく、7月の料金よりも8月の料金は下落している。
区部宿泊料は2022年8月〜11月に宿泊料は大きく下落しているが、ビジネスホテル料金は、全く逆で2022年8月〜11月に掛けて大幅に料金が上昇している。
これほどのビジネスホテル料金と区部宿泊料との傾向の違いがあると、区部宿泊料でビジネスホテル料金の傾向を判断することは出来ない。
調査分析を止めずに料金調査を続けなければならないと思われてくる。
昨年の暮れに消費者物価指数が40年振りに対前年同月比3.7%上昇したというコラム記事を書いた。鑑定コラム2524)「2022年の暮れ 消費者物価指数40年振りに対前年同月比3.7%上昇」である。
この分析をしている時、全国消費者物価指数の宿泊料の指数が91.4で、前年同月比▲20%と記した。
今回、区部宿泊料の2022年11月の指数が91.4であった。
「東京区部消費者物価指数の宿泊料と全国消費者物価指数の宿泊料の指数が同じであるのか。同じとは少しおかしいでは無いか。たまたまそうなのであろうか。他の月の指数も見て見よう。」
そう思い、全国消費者物価指数の宿泊料を、総務省統計局発表の2022年11月発表時点の過去データを調べて見た。
下記である。
年月
|
東京区部消費者物価指数宿泊料(注)
|
全国消費者物価指数宿泊料
|
2020年2月
|
118.2
|
118.2
|
2020年3月
|
118.0
|
118.0
|
2020年4月
|
119.2
|
119.2
|
2020年5月
|
119.5
|
119.5
|
2020年6月
|
111.0
|
111.0
|
2020年7月
|
104.8
|
104.8
|
2020年8月
|
88.3
|
88.3
|
2020年9月
|
80.2
|
80.2
|
2020年10月
|
72.9
|
72.9
|
2020年11月
|
72.6
|
72.6
|
2020年12月
|
79.7
|
79.7
|
2021年1月
|
113.6
|
113.6
|
2021年2月
|
111.4
|
111.4
|
2021年3月
|
111.5
|
111.5
|
2021年4月
|
112.4
|
112.4
|
2021年5月
|
116.2
|
116.2
|
2021年6月
|
111.7
|
111.7
|
2021年7月
|
123.0
|
123.0
|
2021年8月
|
129.5
|
129.5
|
2021年9月
|
114.7
|
114.7
|
2021年10月
|
115.9
|
115.9
|
2021年11月
|
114.4
|
114.4
|
2021年12月
|
114.8
|
114.8
|
2022年1月
|
114.2
|
114.2
|
2022年2月
|
118.1
|
118.1
|
2022年3月
|
117.7
|
117.7
|
2022年4月
|
119.3
|
119.3
|
2022年5月
|
122.2
|
122.2
|
2022年6月
|
115.7
|
115.7
|
2022年7月
|
123.2
|
123.2
|
2022年8月
|
133.2
|
133.2
|
2022年9月
|
122.3
|
122.3
|
2022年10月
|
104.2
|
104.2
|
2022年11月
|
91.4
|
91.4
|
東京区部消費者物価指数宿泊料(注)と全国消費者物価指数宿泊料の指数は全く同じである。
「何これ? 東京区部の宿泊料と全国の宿泊料とは全く同じと云うことなどあり得ないであろう。東京区部の宿泊料を全国の宿泊料の指数に使用しているのか? しかし、その様なことは書いて無いが。」
と疑問が湧いた。
総務省統計局に電話して聞いて見るかと思ったが、その前に東京都が発表している区部消費者物価指数を見て見ようと思い、東京都が発表している消費者物価指数を見て見た。
東京都のホームページを訪れ、東京都の消費者物価指数を見た。
「東京の物価」の題目で統計表が7表ある。
6表の「6.東京都区部消費者物価品目別価格指数」の宿泊料の指数を見ると、上記に記した数値と全く同じである。
題目の統計表7表の最後に注書きとして1)〜4)が記してある。
その注書きの4)におかしなことが書いてある。下記である。
「4) 消費者物価指数における「宿泊料」は、全国の宿泊施設における料金の平均値によって全国一律の指数として作成していることから、 結果数値には、東京都区部以外の宿泊施設における料金の変化が含まれている(「宿泊料」指数は、東京都区部内の宿泊施設や東京都区部在住者が利用した宿泊施設の料金の状況を表したものではない)。」
アドレスは、
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/bukka/2022/bk22b1data.htm
である。
(アドレスをドラッグコピーして、自分宛のメールにアドレスをコピー貼り付けして、自分宛にメールを送信して、自分宛に来たメールの中の青字等カラー文字のアドレスをクリックすれば、繋がります。)
注4の括弧書きに(「宿泊料」指数は、東京都区部内の宿泊施設や東京都区部在住者が利用した宿泊施設の料金の状況を表したものではない)と記してある。
東京区部消費者物価指数の宿泊料は、全国消費者物価指数の宿泊料であり、東京区部の宿泊料では無いと記してある。
東京都の宿泊施設の料金を表したものでない数値を、どうして東京区部消費者物価指数宿泊料として発表するのか。
東京のホテル、旅館を利用する人は他県の人々が大半で、都民の消費では無いという意見があろうが、都民が利用する場合も、他県の人が利用している料金で宿泊しなければならない。ホテル、旅館は東京に所在し、その宿泊は他県の人が利用するとしても、東京都の物価である事には間違い無いであろう。
であれば、何故東京都のホテル・旅館の料金を調査して、その金額からの宿泊料指数を発表しないのか。
全国の宿泊料を東京区部の宿泊料として発表するべきでは無かろう。論理が通らない宿泊料の消費者物価指数である。
上記から東京区部の宿泊料は、全国宿泊料の指数であると分かったことから、本コラムで表示する場合には、「但し、東京区部消費者物価指数の中の宿泊料は、東京区部消費者物価指数の中の宿泊料(注)とする」として(注)をつけた。
東京は日本の首都である。首都の「宿泊料」の消費者物価指数が無いとは、いささかおかしいでは無かろうか。
鑑定コラム2524)「2022年の暮れ 消費者物価指数40年振りに対前年同月比3.7%上昇」
鑑定コラム2536)「大阪市消費者物価指数に宿泊料は無い」
鑑定コラム2538) 「京都市消費者物価指数に宿泊料は無い」
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