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１．消費者物価指数と宿泊料
この１章は鑑定コラム2536)「大阪市消費者物価指数に宿泊料は無い」の1章と同じ内容である。
大阪のコラムを読まずに、京都の本コラムを初めて読む人もいると思われるために記す。
消費者物価指数は、総合指数の他に10大品目に区分されている。
10大品目は下記である。
１．食料
２．住居
３．光熱・水道
４．家具・家庭用品
５．被服及び履物
６．保険医療
７．交通・通信
８．教育
９．教養娯楽
10. 諸雑費
宿泊料は９の教養娯楽に入っており、教養娯楽は、下記の４つの中品目に細分されている。
・教養娯楽用耐久財
・教養娯楽用品
・書籍・他の印刷物
・教養娯楽サービス
最後の教養娯楽サービスは、下記の４つの小品目細分されている。
・宿泊料
・パック旅行費
・月謝額
・その他教養娯楽サービス
宿泊料の品目符号(品目番号)は9300であり、全744品目のうち連番号は633である。
２．京都市消費者物価指数に宿泊料は無い
2020年2月より京都駅周辺のビジネスホテル料金を調べてきた。
この料金と2020年2月〜2022年12月迄の総務省統計局が発表している京都市消費者物価指数の中の宿泊料(2020年＝100)の関係を分析してみようと思い、総務省統計局の消費者物価指数の京都市消費者物価指数を調べてみた。
京都市消費者物価指数の2022年12月では、中品目の教養娯楽サービスの指数が、100.6と発表されているだけで、小品目の宿泊料の指数は発表されていない。
それならば地元京都府のホームページではどうなっているのかと思い、京都府のホームページを訪れた。
京都府のホームページで、京都府の消費者物価指数を捜すと京都市消費者物価指数のみがあった。
その京都市消費者物価指数は、中品目の教養娯楽サービスの指数が、2022年12月100.6、11月100.2 速報値)が発表されているだけである。
京都市消費者物価指数には宿泊料の指数は発表されていない。中央官庁の総務省統計局のホームページの消費者物価指数の内容と同じであった。
３．京都駅周辺ビジネスホテル料金と全国消費者物価指数・宿泊料の関係
@ データ
京都市の消費者物価指数の宿泊料は発表されていないことから、全国消費者物価指数の宿泊料を使用して、京都駅周辺ビジネスホテル料金と全国消費者物価指数の宿泊料との関係を分析する。
京都駅周辺ビジネスホテル料金と総務省発表の全国消費者物価指数の中の宿泊料は下記の通りである。
|
年月
|
京都料金 円
|
全国消費者物価指数宿泊料
|
|
2020年2月
|
7441
|
118.2
|
|
2020年3月
|
6732
|
118.0
|
|
2020年4月
|
6967
|
119.2
|
|
2020年5月
|
6776
|
119.5
|
|
2020年6月
|
6300
|
111.0
|
|
2020年7月
|
6129
|
104.8
|
|
2020年8月
|
6185
|
88.3
|
|
2020年9月
|
5739
|
80.2
|
|
2020年10月
|
6011
|
72.9
|
|
2020年11月
|
6580
|
72.6
|
|
2020年12月
|
5767
|
79.7
|
|
2021年1月
|
5823
|
113.6
|
|
2021年2月
|
5792
|
111.4
|
|
2021年3月
|
6074
|
111.5
|
|
2021年4月
|
6143
|
112.4
|
|
2021年5月
|
5850
|
116.2
|
|
2021年6月
|
5431
|
111.7
|
|
2021年7月
|
5624
|
123.0
|
|
2021年8月
|
5288
|
129.5
|
|
2021年9月
|
5560
|
114.7
|
|
2021年10月
|
5576
|
115.9
|
|
2021年11月
|
11372
|
114.4
|
|
2021年12月
|
6395
|
114.8
|
|
2022年1月
|
5684
|
114.2
|
|
2022年2月
|
6907
|
118.1
|
|
2022年3月
|
6907
|
117.7
|
|
2022年4月
|
6375
|
119.3
|
|
2022年5月
|
6424
|
122.2
|
|
2022年6月
|
6001
|
115.7
|
|
2022年7月
|
8554
|
123.2
|
|
2022年8月
|
6730
|
133.2
|
|
2022年9月
|
6822
|
122.3
|
|
2022年10月
|
8553
|
104.2
|
|
2022年11月
|
15843
|
91.4
|
|
2022年12月
|
8988
|
93.2
|
B グラフ
上記データを、左縦軸に京都駅周辺ビジネスホテル料金、右縦軸に全国消費者物価指数の宿泊料を取って図示すると、下記のグラフである。桃色線が京都駅周辺ビジネスホテル料金である。
C 両者のグラフの比較検討
両者のグラフを比較検討する。
京都駅周辺ビジネスホテル料金を「京都ホテル料金」と呼ぶ。全国消費者物価指数・宿泊料を「全国宿泊料」と呼ぶ。
京都ホテル料金と全国宿泊料は、2020年2月〜2020年12月まではともに下がっているが下がりの傾向が全国宿泊料は大きく、京都ホテル料金少なく、相関関係は弱い。
2020年12月以降は両者の間には相関関係が無い。
全国宿泊料は、2020年12〜2021年1月にかけて急激に宿泊料が上昇しているが、京都ホテル料金には、その様な動きは無い。
全国宿泊料は、2021年8月、2022年8月に宿泊料が前月に比し上昇しているが、京都ホテル料金には逆に値下がりしている。
全国宿泊料は2022年8月〜11月に宿泊料は大きく下落しているが、京都ホテル料金は、全く逆で2022年8月〜11月に掛けて大幅に料金が上昇している。
４．終わりに
これほどの京都ホテル料金と全国宿泊料との傾向の違いがあると、全国宿泊料で京都ホテル料金の傾向を判断することは出来ない。
全国宿泊料で、京都ホテル料金の傾向を判断すると大きな間違いをすることになる。
調査分析を止めずに料金調査を続けなければならないと思われてくる。
鑑定コラム2524)「2022年の暮れ 消費者物価指数40年振りに対前年同月比3.7%上昇」
鑑定コラム2534)「消費者物価指数の宿泊料は東京区部と全国は同じ」
鑑定コラム2536)「大阪市消費者物価指数に宿泊料は無い」
鑑定コラム2537)「京都2022年12月ビジネスホテル料金 再びのDI値-100 8988円」
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