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2540) 2022年の不動産業の倒産件数は229件

 帝国データバンクが、2022年12月と2022年の全国企業倒産集計(速報)を発表した。以下帝国データバンクの発表データによる。

 2022年1年間の倒産件数は6376件(前年6015件)で、負債総額は2兆3723億円(前年1兆1633億円)であった。負債総額は倍増である。

 この2022年の数値は、2008年の倒産件数12,681件、負債額11兆9113億円と比較すれば驚くに値しない数値であるが。

 不動産業の倒産は229件(前年225件)であった。

 鑑定コラム2359)で、令和4年(2022年)の不動産業倒産は302件と予測した。

 予測の発端は、新年の1月の不動産業倒産件数が前年の1月の倒産件数より多ければ、その年の1年間の倒産件数は前年の倒産数より増加するということの立証と、その年間倒産数はどれ程になるかというものであった。

 2022年1月の倒産件数は25件で、2021年1月の倒産件数は20件であった。

 2021年の年間の倒産件数は225件であった。2022年の1年間の倒産件数は229件であったことから、前半の仮説は立証出来た。

 しかし仮説後半の倒産件数総数の予測件数は見事に外れた。

 予測倒産件数の大巾な外れを謙虚に受け止めるが、倒産件数が予測を大きく下回った少ない件数で良かった。

 不動産業の2022年各月の倒産件数は下記である。括弧内は昨年2021年の件数である。

                           件数
     2022年1月    25 (20)
             2月        14 (17)
                3月        15 (33)
                4月        16 (18)
             5月        15 (29)
                6月        25 (20)
             7月        18 (14)
             8月        22 (11)
                9月        17 (17)
               10月        17 (20)
               11月        21 (14)
               12月        24 (12)
               計         229 (225)
 倒産件数は、前年比4件増と少ない。

 しかし安心してはいけない。6月以降は10月を除き前年比で倒産件数は増加している。12月は、前年の2021年は12件であったが、2022年は24件と倍増している。

 不動産業への倒産の増加の兆しは出て来ている。経営に用心されるに越した事は無い。

 帝国データバンク調査・発表の不動産業の各年の倒産件数は、下記である。

        2006年   368件
                2007年      375件
                2008年      429件
                2009年      488件
        2010年   353件
                2011年      336件
                2012年      348件
                2013年      300件
        2014年   319件
                2015年      270件
                2016年      261件
                2017年      271件
        2018年   248件
                2019年      255件
                2020年      231件
                2021年      225件
                2022年   229件

 2021年の不動産業の倒産件数は、2006年以降最低の件数である。

 不動産業の好景気は、そろそろ終わりに近づいたということか。

 2022年の不動産業の大きな倒産は下記である。金額は負債額である。

     (株)FELICE   不動産賃貸業   56億円  兵庫県 9月 

   福田商事(株) 貸ビル業    42億3千万円    1月
(株)徳増興産  不動産賃貸業 42億100万円 11月
(株)UST 不動産賃貸業 29億円 6月

 不動産業倒産企業の総負債額は、
       2021年  882億円
       2022年  628億円
である。



  鑑定コラム2346)
「2021年の不動産業の倒産件数は225件」

  鑑定コラム2359)「令和4年の不動産業の倒産件数は302件を予想 果たして」

  鑑定コラム2644)「不動産業の倒産が急増。直前1年間の集計では不動産業倒産の最低は2022年5月の193件で、2023年8月は274件。」


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