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2761) 東京株式市場日経平均株価史上2番目の2000円超暴落 次に待つは地価大暴落か


1.2024年8月2日東京株式市場の株価

 2024年8月2日の東京株式市場は、株価大暴落となった。

 株価の動きは、下記である。
     始値  37,444.17円
     高値  37,471.52円
     安値  35,881.15円
     終値  35,909.70円
     前日終値比  ▲2,216.63円安(▲5.81%安)

2.史上2番目の大暴落 前日比▲2,216.63円安

 東京株式市場が、一日で前日比▲2,216.63円安と2000円超安と成ったのは、 「ブラックマンデー」と呼ばれる翌日の1987年10月20日(3836円安、14.9%安)以来で、36年10カ月ぶりの下げ幅となった。史上2番目の下げ幅である。

3.株価暴落の原因

 株価暴落の原因については、株式市場では、下記のごとの状況が伝えられる。

 @ 8月1日のアメリカニューヨーク市場ダウ工業株が、40,347.97ドルとなり、前日比494.82ドル安(▲1.21%)をつけた。

 日経ウエブは、「米景気が想定以上に減速しているとの見方が日本株の重荷となった。」と記す。

 A 外国為替市場の不安定な状況も原因という。

 日経ウエブは、「外国為替市場では円相場が1ドル=148円台まで上昇する場面があり、円高進行への警戒もトヨタやホンダなど輸出関連株の重荷となった。市場では売りが売りを呼ぶ展開となり」と市場を伝える。

4.東京株式市場最高値42,426.77円

 東京株式市場の日経平均株価の最高値は、2024年7月11日につけた42,426.77円である。

 その日の株式の動きは下記である。

    始値    42,343.72円
    高値    42,426.77円 年初来の最高高値
    安値        42,102.46円
    終値    42,224.02円
    前日比    +392.03円

5.最高地価とその年の日経平均最高株価

 2024年8月2日の東京株式市場日経平均株価が、2000円超の大幅安と成ったのは、1987年10月20日依頼の2番目の出来事という。

 1987年と云うのは、元号で云うと昭和62年である。

 その時の日本の土地価格の最高地価は、地価公示価格によれば東京都中央区銀座4-2-15のu当り2930万円(1987年1月1日時点)である。その年の日経平均株価の最高値は、26,646円(少数以下切り捨て。以下同じ)である。

 株価下落と地価下落の関係について、詳しく分析した新聞記事、論文等は、ネットのビイング及びグーグルで検索すると、今の所無いようである。

 誰も手がけていない様であるから、やってみるかと思い、分析して見る。

 各年の最高土地価格と、その年の東京株式市場日経平均株価の最高値を対比すると下記である。

 土地価格は、地価公示価格(各年1月1日時点の価格)とする。株価は、日本経済新聞社の東京株式市場日経平均株価のその年の最高値とする。


元号 西暦 公示地番号 最高地価公示価格 万円/u 所在 その年の日経平均株価最高値 円
昭和58年 1983 中央5-1 900 銀座5-4-3 9893
昭和59年 1984 中央5-1 1100 銀座5-4-3 11577
昭和60年 1985 中央5-1 1500 銀座5-4-3 13183
昭和61年 1986 中央5-1 2500 銀座5-8-20 18996
昭和62年 1987 中央5-18 2930 銀座4-2-15 26646
昭和63年 1988 中央5-18 3400 銀座4-2-15 30264
    千代田5-19   丸の内3-2-2  
平成元年 1989 中央5-18 3500 銀座4-2-15 38957
    千代田5-19   丸の内3-2-2  
平成2年 1990 中央5-18 3770 銀座4-2-15 38950
    千代田5-19   丸の内3-2-2  
平成3年 1991 中央5-18 3850 銀座4-2-15 27273
    新宿5-5   西新宿1-7-1  
平成4年 1992 中央5-18 3640 銀座4-2-15 23906
    新宿5-5   西新宿1-7-1  
平成5年 1993 中央5-18 2800 銀座4-2-15 21281
平成6年 1994 中央5-23 2330 銀座6-9-5 21573
平成7年 1995 中央5-23 1750 銀座6-9-5 20023
平成8年 1996 中央5-23 1350 銀座6-9-5 22750
平成9年 1997 中央5-23 1280 銀座6-9-5 20910
平成10年 1998 中央5-23 1330 銀座6-9-5 17352
平成11年 1999 中央5-23 1310 銀座6-9-5 19036
平成12年 2000 中央5-23 1310 銀座6-9-5 20833
平成13年 2001 中央5-23 1330 銀座6-9-5 14556
平成14年 2002 千代田5-42 1870 丸の内2-4-1 12081
平成15年 2003 千代田5-42 2000 丸の内2-4-1 11238
平成16年 2004 千代田5-42 2100 丸の内2-4-1 12195
平成17年 2005 千代田5-42 2200 丸の内2-4-1 16445
平成18年 2006 千代田5-42 2440 丸の内2-4-1 17563
平成19年 2007 中央5-22 3060 銀座4-5-6 18300
平成20年 2008 中央5-22 3900 銀座4-5-6 15156
平成21年 2009 中央5-22 3820 銀座4-5-6 10767
平成22年 2010 中央5-22 2840 銀座4-5-6 11408
平成23年 2011 中央5-22 2760 銀座4-5-6 10891
平成24年 2012 中央5-22 2700 銀座4-5-6 10433
    千代田5-42   丸の内2-4-1  
平成25年 2013 中央5-22 2700 銀座4-5-6 16320
    千代田5-42   丸の内2-4-1  
平成26年 2014 中央5-22 2960 銀座4-5-6 18030
平成27年 2015 中央5-22 3380 銀座4-5-6 20952
平成28年 2016 中央5-22 4010 銀座4-5-6 19592
平成29年 2017 中央5-22 5050 銀座4-5-6 23382
平成30年 2018 中央5-22 5050 銀座4-5-6 24448
平成31年 2019 中央5-22 5720 銀座4-5-6 24091
令和2年 2020 中央5-22 5770 銀座4-5-6 27602
令和3年 2021 中央5-22 5360 銀座4-5-6 30795
令和4年 2022 中央5-22 5300 銀座4-5-6 29388
令和5年 2023 中央5-22 5380 銀座4-5-6 33853
令和6年 2024 中央5-22 5570 銀座4-5-6 42426


5.最高地価とその年の日経平均最高株価のグラフ

 上記、日本の各年の最高土地価格(各年1月1日時点の地価公示価格)と東京株式市場日経平均株価の各年の最高株価のグラフの関係グラフを記すと、下記である。

 @ 対比グラフ

 左縦軸に最高土地価格の目盛りをとる。右縦軸に日経平均株価の最高値の目盛りをとる。

 両価格のグラフを対比する。

 この対比グラフは、今迄誰も分析していなかったものであるから、初めて目にするグラフと云うことになろうか。

 各年最高土地価格と各年最高株価のグラフ対比をみると、両価格の間には相関関係が充分あると判断される。


 最高地価と日経平均最高値 1983年〜2024年




 A 相関関係式と相関グラフ

 縦軸Yに土地価格万円/u、横軸Xにその年の東京株式市場の日経平均最高値をとって、両者の関係を分析すると、下記である。





 最高地価と日経平均最高値 回帰グラフ



 XYの関係式は、
       Y=813.54+0.107X
              相関係数 r=0.60
       標準偏差 1172.5
である。

 土地最高価格と東証日経平均株価の各年最高株価との間の相関係数は0.60である。

 相関関係60%という割合は、相関関係90%というごとくの高い割合から見れば低い割合であるが、相関関係性を判断する割合にあっては、60%という割合は、相関関係ありと判断するに充分な割合数値である。


6.株価暴落の後に待つは地価暴落か

 戦後の高度成長と共に土地価格は上昇した。そして、土地価格は下落しないという神話を産み出した 。

 平成3年(1991年)1月1日に東京銀座の土地価格は、u当り3850万円の価格をつける。

 その後、東京の商業地最高価格は、平成9年(1997年)のu当り1280万円まで下落する。住宅地の価格は大暴落する。平成土地バブルの崩壊である。日本経済もおかしくなる。

 地価が暴落しはじめた平成3年の2年前の平成元年(1989年)の12月末の大納会に、東京株式市場の日経平均株価は、取引中最高値、終値の最高値をつけた。
     始値    38,913.12円
     高値    38,957.44円 取引時間中の最高値
     低値    38,827.71円
     終値    38,915.87円 終値の最高値

 その後、株価は2012年(平成24年)の年間最高値の最低値である10,433.63円まで下がり続ける。

 2012年より株価は再び上がり始める。

 東京株式市場が2024年7月11日に、史上最高の42,426.77円をつけた。

 この日経平均株価での日本最高土地価格の推定価格は、
       Y=813.54+0.107×42,426=5,353万円
u当り5,353万円である。

 2024年8月2日に東京株式市場の日経平均株価終値は、大暴落し、35,909.75円となった。

 この日経平均株価での日本最高土地価格の推定価格は、
       Y=813.54+0.107×35,909=4,655万円
u当り4,655万円である。

 最高土地価格は、株価の下落の影響を受けて、u当り4,655万円まで暴落すると云うことになる。

 率にすると、
                 4,655万円
              ──────   = 0.8696≒ 0.87                     
                 5,353万円
▲13%減である。

 上記土地価格の下落は、日経平均株価の下落が35,909円で止まった場合の話で、株価下落が35,909円以下になる場合には、土地価格の下落は、更に大きくなる。

 ▲13%減程度の土地価格の暴落で終わるか、もっと暴落するか。果たしてどうなることであろうか。


  鑑定コラム2762)「東証株価史上最大の下げ▲4,451.28円 2024年8月5日」

  鑑定コラム2773)「「最高地価とその年の日経平均最高株価のグラフ」の文言をグーグル検索 4番目で鑑定コラム2761)が出て来る 2024年9月1日」
 

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