ココスジャパンは、西洋フードシステムズが経営するファミリーレストラン「CASA」のうち郊外店舗120店を、48億円で取得する。(日経2002.3.13)
対象店舗の売上高は137億円(2001年3月)である。
正社員258人、アルバイトは全員引き継ぐ。資産合計は68億円であるという。
1店舗当りの売上高は1.14億円である。
1店舗当りの購入額は、
48億円÷120店=0.4億円
4000万円である。
この金額では店舗の土地建物は所有権では無く賃借であろう。
投下資本の売上高倍率は、
137億円÷48億円=2.85倍
である。
飲食店平均の経営資本回転率は、
平均 2.2回転(標準偏差2.4)
である。
投下資本を経営資本と考えると、売上高倍率は経営資本回転率になる。
2.85回転率は平均回転率以上にある。
偏差は0.27と求められる。
平均回転率、即ち偏差0.0の場合の生起率を50%とすれば、偏差0.27での生起率は60%である。
即ち48億円の価格ならば、購入者10人いるとすれば6人の人が購入するであろうと言うことである。
購入価格が安くなればなるほど生起率は高くなる。
つまり購入者が増えてくる。
価格が安ければ利益を得るのが大きくなることを意味するから、当然の経済現象である。
資産合計は68億円というが、この資産価格で購入したら、回転率は、
137億円÷68億円=2.0回転
となり、平均回転率以下となる。
経済人はそれでは買わないであろう。
48億円の購入価格の妥当性は、損益計算書に基づくキャッシュフローによるDCF法の分析によって検討出来るのでは無かろうか。
飲食店・レストランの売買価格についての記事については、下記の鑑定コラムがあります。
鑑定コラム59)
「和食レストランの売買価格」
鑑定コラム77)
「ダイエーの子会社売却」
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