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35)ファミリーレストランの売買価格

 ココスジャパンは、西洋フードシステムズが経営するファミリーレストラン「CASA」のうち郊外店舗120店を、48億円で取得する。(日経2002.3.13)

 対象店舗の売上高は137億円(2001年3月)である。  正社員258人、アルバイトは全員引き継ぐ。資産合計は68億円であるという。

 1店舗当りの売上高は1.14億円である。

 1店舗当りの購入額は、
        48億円÷120店=0.4億円
4000万円である。
 この金額では店舗の土地建物は所有権では無く賃借であろう。

 投下資本の売上高倍率は、
       137億円÷48億円=2.85倍
である。

 飲食店平均の経営資本回転率は、
     平均 2.2回転(標準偏差2.4)
である。

 投下資本を経営資本と考えると、売上高倍率は経営資本回転率になる。
 2.85回転率は平均回転率以上にある。
 偏差は0.27と求められる。
 平均回転率、即ち偏差0.0の場合の生起率を50%とすれば、偏差0.27での生起率は60%である。
 即ち48億円の価格ならば、購入者10人いるとすれば6人の人が購入するであろうと言うことである。
 購入価格が安くなればなるほど生起率は高くなる。
 つまり購入者が増えてくる。
 価格が安ければ利益を得るのが大きくなることを意味するから、当然の経済現象である。

 資産合計は68億円というが、この資産価格で購入したら、回転率は、
       137億円÷68億円=2.0回転
となり、平均回転率以下となる。

 経済人はそれでは買わないであろう。

 48億円の購入価格の妥当性は、損益計算書に基づくキャッシュフローによるDCF法の分析によって検討出来るのでは無かろうか。


 飲食店・レストランの売買価格についての記事については、下記の鑑定コラムがあります。

    鑑定コラム59) 「和食レストランの売買価格」
    鑑定コラム77) 「ダイエーの子会社売却」
 

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