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419)映画『山桜』の撮影ロケ

 山形の鶴岡駅で、鑑定評価する不動産を案内してくれる人を待っていた。
 携帯電話のベルが鳴る。

 電話の声は云う。
 「田原さん、今どこにいる。」

 「鶴岡駅に着いて、駅にいる。
 今日の泊まる旅館はどこに予約されたのか教えて欲しい。」
と私は電話の声の主に問うた。

 「旅館は手配してある。
 旅館に行く前に、今ロケの最後のシーンをとっている。
 今日で終わりだ。
 田原さんを案内するから、見ていって欲しい。
 迎えに行くから、そこで待っていてくれ。」

 私は鶴岡駅前広場で待った。

 しばらくして四輪駆動車を運転して、案内人が来た。

 「日が暮れる。急いで映画ロケの打ち上げ最後のシーンをとっている撮影現場に行く。
 それを見てから旅館に案内する。」
と、云いながら案内人は、四輪駆動車を映画ロケ地に私を連れていってくれた。

 映画の屋外撮影ロケをみる見物人が遠巻きにしていた。
 案内人は関係者であるのか、撮影現場のすぐ近くまで私を案内してくれた。

 夕暮れの庄内平野の畑の中に建つ茅葺きの古びた家屋の玄関先で映画のロケは行われていた。「庄内映画村」の松ヶ丘オープンセットの撮影現場である。

 「スタート」、「ストップ」、「もう一回」・・・・・・・等の言葉が聞こえる。

 監督、助監督、カメラマン、照明、メイク等多くのスタッフの目は、一人の女優にそそがれていた。

 絣の古びた着物を着た一人の女優が演技していた。

 私は声を出さず、撮影の状況をジッと見ていた。
 ロケ撮影最後のワンシーンは、映画では余程重要な場面で有るのか、念入りに時間をかけているようであった。

 監督と思われる人の、
 「撮影終了」
の声が聞こえた。

 と同時に拍手がおこり、1つの職業集団が緊張感から開放されたかのごとくざわめく声が聞こえてきた。
 撮影を無事終えた安堵感からの声である。

 主演女優が私の傍を笑顔を見せながら、気取らず共演者と話しながら通り過ぎていった。
 女優は思いのほか体は華奢であった。小柄であつた。演技のための古びた絣(かすり)の着物を着ていたが、しかし、やはり女優としての雰囲気が漂っていた。この醸し出す雰囲気というものは何だろう。

 田中麗奈という女優であった。

 撮影は、藤沢周平原作の「山桜」という映画のシーンの撮影であった。撮影は最後で有ったが、この日の撮影シーンが映画のラストシーンかどうかは私には分からない。

 藤沢周平の北国の海に面する小さな藩等の書き出しで始まる、「海坂藩もの」と呼ばれる小説は、私はいくつか読んだ。
 それら小説には、必ずといってよいほど素晴らしく剣の腕の達つ下級武士が出てくる。その下級武士の剣の腕前は、あたかも宮本武蔵よりも強いのではなかろうかと錯覚させるほどの剣術の達人である。それほど「海坂藩」には剣の達人がごろごろいたのかと思ってしまう。最もそれは小説の世界の話だが。

 「山桜」という小説は、私は読んではいない。

 「山桜」という小説がどういう内容の小説か知らないが、映画作品は今年2008年5月に封切りされると云うことから、映画館に足を運んで見ようと思う。

 映画のシーンとしてはほんの短い時間で有ろうと思われるが、撮影現場で撮影を見、撮影終了後、主演女優が笑顔を見せて私の傍を通り過ぎて行った機会を想い出す為に。


 映画『山桜』に関するウエブサイトは、下記に有ります。
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=8066

 上記サイトの中のリンク「公式サイト」をクリックすると、別の「山桜」の公式サイトの映画紹介画像が出てきます。
 (注)ネットスケープでは7.1以上でないと見られない場合があります。


追記・2008年6月25日
 映画『山桜』が2008年5月31日封切り上映されました。
 その映画の感想に付いて、下記の鑑定コラムがあります。
 鑑定コラム434)「山桜は美しかった」
 

 山形に関する鑑定コラムは、下記にもあります。
 鑑定コラム309)「山形天童ホテルでの東北会連合会の講演」

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