○鑑定コラム



フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ

鑑定コラム全目次へ


43)熱海・湯沢のリゾートマンション

 熱海駅より南へ3つ目の駅から、更に車で行かなければならないリゾートマンションの鑑定であった。

 築20年、面積12坪、1DKのタイプで、外壁は最近塗り直しされ、サッシの塩被害は特に見あたらなかった。
 斜面に建ち眼下に海が展開する眺望抜群のリゾートマンションであった。

 データ分析より坪当り40万円で果たして売れるものかどうかと思いながら、熱海駅前の2軒のリゾートマンション仲介業者の扉を開け話を聞いてみた。

 話を始めると、同一リゾートマンション内の所有者より売却委託を受けていると言って、仲介業者は物件のチラシをゾロゾロ引っ張り出してきた。
 面積は異なるが、いずれも坪40万円で計算されている物件である。
 対象物件と同規模のほぼ同タイプの物件もあった。  売価格480万円。

 仲介業者曰く、
 「問い合わせは1件もない。せめて1件でも問い合わせがあれば」
と嘆く。

 坪40万円の値決め理由を聞けば、
 「売り主と相談してこの程度ならば売れるであろうと見込んだが」
という返事である。

 聞けば熱海の中古リゾートマンションはどこも同じで、買主がさっぱりいなく、売物件ばかりという。
 と言って値段を下げれば買主が現れるかと言うとそうでもない。
 値段をいくら下げても買主は現れないと言う。
 仲介業者としては全く手の打ちようが無く、どうしょうも無い状態のようである。

 買1に売4件前後が不動産の一般的市場成立条件と言われている。

 いわゆるこれが新鑑定評価基準に導入される市場分析の需給動向の調査と云われるものの類か。
 リゾートマンションの不動産市場にも、この倍率関係が当てはまるかどうか私には判断するデータがない。
 リゾートマンシヨンの売り買いの標準倍率を知っている方は教えて頂きたい。

 買0で売多数では市場価格の成立の余地がない。

 もともと熱海の別荘、リゾートマンション等の購入者そして価格形成者は、東京の会社であり、人であった。
 東京の経済がさっぱり上向きにならず、不動産価格も下落が続いていては、熱海の不動産市況がよくなると考えるのは無理であろう。
 熱海のリゾートマンション市場が立ち直るのは、まだ相当先と思われる。

 熱海のリゾートマンションの固定資産税滞納による差押えが596件、滞納税額が38億円と新聞は報じる。(読売2002.5.5)

 固定資産課税額164億円のうち23%が滞納では、市財政はパンクしてしまうのでは無かろうか。
 滞納者の殆どは市外の所有者と熱海市は言っているが、実質は東京の会社で有り東京の住人であろう。
 熱海市は公売申立をしても、ある程度はさばけるであろうが、多くの回収は困難で無かろうか。

 その原因の一つは公売価格がいくら安くても、月額の管理費の負担が多き過ぎるためである。
 温泉引湯権、同負担金、月額温泉使用料、共益費、修繕積立金等である。
 これらをトータルした月額管理費が馬鹿にならない金額である。一般のサラリーマンがその金額の負担に耐えられるかどうか。

 リゾートマンションを400万円の価格で購入或いは落札したとしても、月額3.5万円に近い管理費を支払って、年間数える位しか利用しないリゾートマンションを購入する人がどれ程いるものだろうか。

 固定資産税を滞納している物件は、管理費の滞納をほぼ間違いなく行っている。
 購入後、管理組合から高額の滞納管理費の立て替え請求を受けることもあり得る。
 価格に惚れて維持管理費を無視して取得すると、後でほぞを噛むことになる。

   不動産業界紙の住宅新報(2002.7.26号)は、湯沢のリゾートマンションの状況を、湯沢のリゾートマンションの媒介を多く手がける仲介業者の取材から、次のごとく伝える。

 「バブル期のピークの時に、売価格は坪当り200万円以上だったものが8割ほど下がった。
 更に下がる可能性がある。
 都心ファミリー型より割高な管理費が、購入に二の足を踏ませる要因になっている」と。

 8割減ということは、現在の価格は、
          200万円×(1−0.8)= 40万円
坪当たり40万円の売価格ということである。

 何やら熱海の3つ駅先のリゾートマンションの売価格水準と同じである。
 管理費の高さが、購入のネックになっているというのも全く同じである。
 

 湯沢温泉のリゾートマンションについての鑑定コラムに、下記のものがあります。

  鑑定コラム373)越後湯沢のリゾートマンション価格は新築時の12%(2007年夏)
 
  鑑定コラム1116)「湯沢のリゾートマンションの価格は下がっている」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ

鑑定コラム全目次へ