嬉しくも驚くべきことが起こった。
2008年のノーベル賞の受賞者に4人の日本人が選ばれた。
ノーベル物理学賞の受賞者として、南部陽一郎・シカゴ大学名誉教授(87歳)、小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64裁)、益川敏英・京都産業大学教授(68歳)、そしてノーベル化学賞として下村脩・ボストン大学名誉教授(80歳)の4人である。
一度に4人の日本人ノーベル賞の受賞である。
喜ばしいことである。
南部陽一郎氏は、ひも理論の考案者でかつ「対称性の破れ」を考えた人である。科学者の間では、もっと早くノーベル賞を授与されてもよい人と云われていた。
益川・小林両教授は、南部陽一郎氏と同様素粒子の「対称性の破れ」の理論構築を行って、6つのクオークの存在を予言した人である。
ひも理論とか素粒子の対称性の破れとかクオークというものについては、私にはさっぱり知識も無く分からない。
私が高校生の頃、「 名古屋大学に坂田あり」ということを知った。
私は別に科学者になろうというつもりもなく、科学に興味を持っていた訳では無かったが、高校の化学の先生が、授業時間にそのような事を言ったことを覚えている。
高校の化学の先生が、
「今の日本で最高の科学者が3人いる。
その3人とは、京都大学の湯川秀樹、名古屋大学の坂田昌一、立教大学の武谷三男の3人である。
湯川教授はノーベル物理学賞をもらっているが、坂田、武谷教授は湯川教授にすぐるとも劣らない学者だ。」
と云って、3人の科学者の名前を挙げた。
湯川秀樹の名前は知っていたが、その時初めて名古屋大学に坂田、立教大学に武谷という理論物理学の日本を代表する学者がいることを知った。
それから47年後、坂田昌一教授の名前が、古い記憶の中から突然思い出されてきた。
今回ノーベル物理学賞を受賞する益川、小林教授は名古屋大学で坂田教授の下で若い頃指導を受け研究していたという。坂田理論を受け継いだ弟子であるという。
坂田教授の弟子の二人がノーベル賞をもらったのである。
このことを知った時、高校時代に聞いた言葉、
「 名古屋大学に坂田あり」
という言葉がすぐ思い出されてきた。
「私の高校生の時の、あの噂の坂田教授はやはり噂に違わず、優秀な素晴らしい人であったのだな。
坂田教授の弟子が2人もノーベル賞をもらうなんて。弟子も優秀だ。
名古屋大学に坂田ありと高校生の私達に教えてくれた山の中にある田舎の高校の化学の先生は、洞察力のある立派な人であったのだな 。」
と今から47年前の高校生の時代を思い出す。
それでは当時の日本を代表する物理学者の3人のうちの一人である武谷三男教授はどうしたと云うことになる。
武谷三男教授がどうして立教大学の教授として居るのか、高校生の頃の私には不思議で分からなかった。
武谷三男教授については、下記のホームページに詳しいから、そちらに譲る。
http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/02/010/page2.htm
ノーベル賞は物理学賞とか化学賞のみでは無い。経済学賞もある。その賞は当初のアルフレッド・ノーベルが作ったものではないが。
世界経済第2位の経済大国と公言していて、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者は日本には一人もいない。
アメリカにはわんさといる。
サムエルソン、フリードマン、トービン、マーコウィッツ、マートン、ショールズ等
何か問題が生ずると、フリードマンはこう云っている等とアメリカの経済学者の学説・研究成果の受け売りの発言をし、自らのオリジナルな考えは全く無い。それら受け売りと学説の日本語への翻訳で、日本の経済学者は飯を食べているのでは無かろうかと揶揄されても仕方無かろう。
日本の資本主義経済の繁栄には、それを裏付ける理論があるはずである。
そこには立派に世界に通用する経済理論があるハズである。
それを研究して、普遍的でオリジナルな経済理論を見付けて、ノーベル経済学賞をとる学者が出てきて欲しい。
日本の経済学者は何をしているのかと叱り飛ばしたい。
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