コーヒーブレイクを。
羽田空港より小松空港に向かった。
北陸地方の不動産鑑定評価のためである。
羽田空港を飛び立った飛行機は、東京上空を大きく右旋回して、横浜のニッサンスタジアムを左下に見て、相模原の上を通り、甲府の上空への進路に入った。
眼下に甲府盆地を見る。
その先に白い帽子を被った山の頂きが連なる山脈が見えてきた。
南アルプスの山々である。(写真をクリックすると大きくなります)
南アルプスが左に見えるとすると、乗鞍岳、穂高連峰も見えるのかと期待した。遠くにどっしりした大きな山容が見えてきた。
何という山であろうかと飛行コースを頭に浮かべて考えた。
どうも山の形からすると乗鞍岳では無い。穂高岳でも無い。その辺りで大きな雪を被っている山となると、木曽の御岳山しか無い。御岳山か。
そうすると飛行機は乗鞍岳の上あたりを飛んでいることになる。
窓に額を付けて下を見るが、乗鞍岳らしきものは見られない。稜線に少し白いものが見えるだけである。乗鞍岳連山の一つの山裾の山の稜線の雪の様である。
御岳山が左に見えるのであるから、右側の窓からは穂高連峰と槍ヶ岳が見えるはずである。
しかし、いかんせん、私の席は左側の窓際であり、右の窓際では無い。
雪を被った穂高岳のノコギリ歯のごとくのギザギサの連なる頂き、そしてツンと槍の穂先のごとく尖った頂きを持つ槍ヶ岳を見たかったが、あきらめる。
次のフライトの機会があったら、右の窓際に座ることにしょう。
しばらくすると、機内にアナウンスが流れた。
飛行機はあと15分程度で小松空港に到着するという。
機体が高度を下げてきた。
左側に突然、真っ白な山が見えてきた。
雪が多い。
白山である。
白山信仰の元締めの山である。
大学時代に、一夏、白山の山小屋の室堂でアルバイトした生活が思い出される。
夏でも雪が残っている「ヒルバオの大雪渓」と、噴火口のあとに出来た名の通りの濃青緑の美しさの水をたたえる「みどりケ池」が脳裏にくっきりと想い出される。
小松空港周辺には、片山津温泉、山中温泉、粟津温泉と温泉が多い。
観光旅行ならば良いが、不動産鑑定の仕事でのフライトである。
温泉に入る余裕は無い。
小松空港の搭乗者出口には、現地案内者が出迎えで待っている。
すぐ現地直行である。
鑑定コラム534)「羽田空港から」
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鑑定コラム1256)「御岳山が爆発した」