2009年11月19日は、フランスワインの2009年新酒飲酒解禁の日である。
ムッシュソーマ主催のボージョレ・ヌーヴォーは、ホテルニューオータニの地階レストラン「トム・キャット」等2店舗を借り切って催された。
昨年までは、ムッシュの事務所のあるパレスホテルの地階レストランで開かれていたが、パレスホテルが建替のため解体されて、今はもう無いため、パレスホテルでは開くことが出来なくなった。
今年は取りやめかなと私は思ったが、フランスのボージョレの村からは、名誉村民たるムッシュソーマに、村一番のワイン新酒が届けられた。
フランス人は義理堅い。
私も喜んで、2009年のワイン新酒会に参加した。
会場には、ドメンヌ・デュ・ペンロア農園から送られてきた1500ミリリットルの大きなボトルがずらりと並ぶ。
赤い色したワインがグラスに注がれた。
今年の新ワインはどんな味か。
苦み、酸っぱさは抑えられ、重厚な感じの味がした。
おいしい。今迄で一番おいしい味では無いか。
この味では、果汁を飲むごとく、何杯でもグラスを傾けられそうである。
新酒会が始まりしばらくすると、私の隣に座っていたムッシュソーマが盛んに腕時計を見る。
そして女性の秘書に指示を出す。
私は、何をムッシュソーマが時間を気にしているのか分からなかったが、あとでそれは分かった。
宴の中半端、一人の明るい華やかな洋服を来た女性が、男の秘書を連れて、パーティに姿を現した。
3年前、「姫の虎退治」というキャッチフレーズで、マスコミを賑わし、世間の注目を浴びた民主党参議院議員の姫井由美子国会議員である。
パーティの人々は、姫井議員が来るとは知らされていなかった事から、大変な拍手と歓声が沸き上がった。私もびっくりした。
そしてしばらくすると、今度は数ヶ月前の衆議院選挙で落選した自民党の前国会議員が姿を現した。これまた驚いた。
民主党議員と、落選したとはいえ大臣まで勤めた自民党の前議員が、鉢合わせをしてしまったのである。
ムッシュソーマが、盛んに時計を見て時刻を気にしていたのは、このことを避けようとしていたのではなかろうか。
鉢合わせをしたとはいえ、二人の現国会議員、前国会議員は、共に上手なスピーチをし、笑顔で握手した。
パーティの参加者は、ハラハラしていたが、これでめでたし。
政局の話は止めて、今年のボージョレ・ヌーヴォーを楽しもう。
パーティの終わりの刻が来た。
締めは私にやれという。関東一本締めで無く、3本締めでやることにした。この方が宴会の終わりとして華やかであり、リズム感があり、かつ落ち着く。
3本締めの前に、私は、ムッシュソーマとボージョレ・ヌーヴォーとの関わりを簡単に説明して終わりの挨拶として、3本締めを行った。
3本締めが終ったすぐに、
「タハラ君!、タハラ君!」
と私を呼ぶ人がいる。
特別来賓の香川保一元最高裁所裁判官が、私を呼び止める。
何事かと近づくと、
「ボージョレ・ヌーヴォーのいわれは、君の説明とは違う。」
と云われる。
「え、違っているのですか?」
と私は聞き返した。
香川元最高裁所裁判官いわく、
「相馬君が日本に売りこみに来たボージョレの人々のワインを全て買い上げたのは、彼の<徳>の心だよ。そこをしっかり知っておかなければ。」
と。
私はスピーチで、
「男たるもの何とかでありますが・・・・」
と云って、「義を見て為さざるは・・・・」を省略し、ムッシュソーマの「徳」については、話さなかった。
そこを、スピーチを聞いていた香川元最高裁所裁判官は聞き流さず、すぐ私に注意したのである。
イヤハヤ、法律家は何歳になっても文言に厳しい。
私は、教えて下さった香川元最高裁所裁判官に頭を下げた。
短いスピーチにも核となるものを持って話せということのようである。
写真家南川三治郎氏が、氏のブログ「ヨーロッパワイン紀行と酒中日記」に『ボジョレー・ヌーヴオー アリヴェ!!』という記事と写真を載せている。
そこの記事中の、「ドメンヌ・デュ・ペンロア」の語句に私の鑑定コラムがリンクしてある。写真家南川三治郎氏がどこで私の鑑定コラムを知ったか、全く分からないが、著名な写真家南川三治郎氏の上記ブログを訪れて見て下さい。
一流週刊誌・雑誌・月刊誌に掲載された氏の写真の作品の幾つかも見ることが出来ます。
ブログのアドレスは、下記です。記事は2009年11月19日の記事です
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鑑定コラム248)「ボージョレ・ヌーヴォー 2005年」
鑑定コラム2503)「ボージヨレ・ヌーヴォーとムッシュ相馬」