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日本電産(株)が、三洋電機(株)の子会社である三洋精密(株)を約70億円で買収すると、2010年12月9日の日本経済新聞は伝える。
三洋精密は、長野県上田市にある企業である。小型モータを製造している。
日本電産のプレスリリース(2010年12月9日)に依れば、買収金額は発表していないが、発行株式の100%の譲渡の合意をしたと云っている。
このことから日経は、日経が保持している諸々の関係データより、三洋精密の発行株式の金額を約70億円と推定したものと思われる。
日本電産のプレスリリースに依れば、三洋精密の売上高は下記の通りである。
2008年3月期 35,063百万円
2009年3月期 28,321百万円
2010年3月期 23,196百万円
2008年3月期〜2010年3月期の売上高減は、
23,196百万円
──────── = 0.66
35,063百万円
2年間で売上高は-34%である。
1年目 −19%
2年目 −18%
の売上高減である。
売上高減が−30%を超えると、企業経営は赤信号である。
この状態が長く続くと、倒産の可能性が高くなる。
日本電産が、三洋精密買収に目をつけたのは、プレスリリースで次のごとく云っている。
「三洋精密株式会社は、精密小型モータ事業のなかでも携帯電話向けの振動モータ事業に強みを有しております。
最近の携帯電話市場においては、スマートフォン等の台頭が著しく、同製品の特徴でもあるタッチパネルのフィードバック機能が注目され、振動モータはその機能を実現する部品として有望視されております」
狙いは、携帯電話スマートフォンに伴う振動モータである。
売上高に対する買収価格の割合は、
70億円÷232億円 ≒ 0.30
である。
0.25程度の割合が適正と思われるが、そのオーバー分は、タッチパネルのフィードバック機能の技術力ということか。
鑑定コラム254) 「 花王のカネボウ買収価格」
鑑定コラム56) 「 古河電工のアメリカ工場買収」
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