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超高級マンションと呼ばれるマンションの鑑定評価を行った。
超高級マンションとは、どういうマンションか。
マンションを、
一般マンション
中級マンション
高級マンション
の3区分に分けるとすると、超高級マンションは、高級マンションの中にあって最高級部類に位置するマンションと言うことになろう。
その条件は地域性と個別性に分けられる。
立地が、地域として高級住宅地と呼ばれる地域にあることが、絶対条件である。
そうした地域にあって、幅員8m以上の道路に面し、地積は大きく、日当たりの良い土地であることが要求される。
建物は1戸当り専有面積100u以上で、建築工事費が坪当り100万円以上、管理人常駐、セキュリティ完備のマンションも要求される。
そして建物棟数として、一つの市にある全マンションの中で品等、高級感で上位2.5%の中にあるマンションである。
上位2.5%と言うことは、具体的にどういうことかといえば、全市のマンションが1,000棟あるとすると、その中で品位、高級感等で上位25棟の中にあるマンションと言うことである。
上記述べた土地建物の条件は、主観が入り超高級マンションか否か、なかなか判断し難い場合がある。
価格で考えると、はっきりとそれが判断出来る。
市全体にあるマンション1,000棟の中で、上位25番目までのマンションは、間違い無く超高級マンションであるといえる。
それは何故か。
統計学の正規分布を使えば、それがいえる。
正規分布のグラフの全体の面積は1である。その正規分布図の右端の2.5%の割合の出現するのは、標準偏差の1.96倍以上の数値をとる場合である。
このことから、平均価格に標準偏差の1.96倍を乗じた数値を加算した価格が、超高級マンションであると言うことになる。
名古屋市の高級住宅地と呼ばれる地域に一つのマンションがあった。
そのマンションは平成12年に建てられ、分譲された。
その分譲価格は、坪当り250万円であったとする。
平成12年の名古屋市で分譲されたマンションの平均価格は、株式会社不動産経済研究所の調査に依れば、
坪当り127.71万円
である。
標準偏差を仮に、平均価格の20%であると仮定する。
127.71×0.2=25.54
標準偏差は25.54である。
これの1.96倍は、
25.54×1.96=50.06
である。
標準偏差1.96倍のマンション価格は、それは超高級マンションの価格になるが、
127.71+50.06=177.77≒178万円
である。
坪当り178万円以上の価格の分譲マンションが、平成12年時点では超高級マンションということになる。
名古屋の高級住宅地の坪当り250万円という、驚くべき高額な分譲マンションの価格は、名古屋の超高級マンションの価格ラインである坪当り178万円を遙かに超えた価格水準である。
このことから、このマンションは、超高級マンションということになる。
その価格の高額さは、平均価格に対する倍率を知ればわかる。
平均価格坪当り127.71万円のマンション価格水準の中にあって、坪当り250万円は、
250万円
──────── =1.96≒2.0
127.71万円
平均価格の2倍の価格である。
超高級マンションとは、この様に平均価格に対して2倍等の高い価格倍率を持つマンションといえよう。
これらマンションが歳月10年以上たつと、地域と調和した静かな佇まいを持ち、高級感を漂わせ、住んで見たくなる感じを呼び起こさせるマンションになってくる。
いわゆる「ヴィンテージマンション」と呼ばれるマンションになる。
ヴィンテージマンションについては、稿を改めて記事を書くことにする。
鑑定コラム817)「分譲マンション土地には地積大の減価は行わない」
鑑定コラム822)「ヴィンテージマンション」
鑑定コラム1212)「超高級マンションの再調達原価の1つの求め方」
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