○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

822)ヴィンテージマンション

 ヴィンテージマンションとは?

 今年(2011年)の夏、三鷹にある日本基督教大学の国際会議場で、アメリカの元ASA会長を講師に招いて、機械・装置の価格評価の研修会が開かれた。

 オイルタンク10基をもつプラントの評価の仕方の講義と演習であった。
 与えられた演習問題の中に、タンクの製造年と思われる記述として、

       「1980vintage」
        
という記載表現があった。

 私は講師に、

 「これは1980年製造ということか。
  vintageとは、タンクの製造年を云っているのか。」

と聞いた。

 「イエス」

と講師は答えた。

 vintage(ヴィンテージ)は、ワインの原料の葡萄の収穫年を表示するものとばかり思っていたが、機械・装置の製造年を表示する時にも使われるようだ。

 この「ヴィンテージ」という言葉に、「マンション」という言葉をくっ付けて、「ヴィンテージマンション」という言葉がある。

 「ヴィンテージマンション」という言葉は、古くからあったものでは無い。つい最近、10年程前からマンション業界で使われ出した用語である。

 造語である。

 年代ものの風格あるマンションに対して、「ヴィンテージマンション」という用語が接頭語として付け加えられる。

 この「ヴィンテージマンション」という造語を、誰が作り出したのか。
 調べると作り出した人の記事が見つかる。

 建築・住宅ジャーナリストの細野透氏が、「ヴィンテージマンション」とはどういうマンションをいうのか、そしてその造語をした人は誰かを紹介してくれる。

 細野透氏は「ヴィンテージマンション」という用語が、世に発表されたのは2004年3月という。
 細野透氏が紹介したという。
 そしてより多く広めたのは、リクルートの住宅雑誌であるという。

 「ヴィンテージマンション」とは、次の条件に合うマンションをいうと細野透氏はいう。

「(1)竣工後、少なくとも10年以上過ぎている
 (2)ハイグレードなマンションとして作られている
 (3)住まいとしての価値が高い
 (4)デザインが優れている
 (5)時間がたっても、居住性が保たれている
 (6)時間がたっても、資産価値が保たれている
 (7)時間がたっても、人気(ニーズ)が高い
 (8)物語性がある」

 築10年以上の高級感が漂うマンションで、デザイン、居住性に優れ、人気があり、資産価値があるという条件を充たすマンションを、「ヴィンテージマンション」というようである。

 「ヴィンテージマンション」の名付け親は、トランジスタ(TRANSISTOR)という不動産会社を経営する木村茂氏であると細野透氏は紹介する。

 木村茂氏は、東京の千代田区富士見で、「建築家やデザイナーと空間に対する視点を共有」するという考え方を柱にして、不動産売買の仲介を営んでおられる。

 「ヴィンテージマンション」の用語を作り出した人は、その名前の付け方から推測すると、余程ワイン好きな人と思われる。

 「ヴィンテージマンション」からは、芳醇な年代もののワインの匂いが漂ってくる感じがする。

 木村茂氏は、ホームページで、東京の「ヴィンテージマンション」を写真付きで載せている。
 それを記すと、下記のマンションである。

          三田ハウス
          三田綱町パークマンション
          メゾン三田
          麻布三生マンション
     白金ハイツ
     麻布第2コーポ

     マンション白金苑      白金第一マンションズ      広尾ガーデンヒルズ      中銀高輪マンション      ツイン一橋      麻布十番中央マンション      MITA MANSION

 上記マンションは木村茂氏が、「ヴィンテージマンション」と認めるマンションである。これらマンションを見て「ヴィンテージマンション」とは具体的にどういうものか知る事ができる。
 下記アドレスで、そのマンションを見る事が出来る。


    
http://www.mh-unit.com/designshop/renovation_desk/introduction/


 東京の「ヴィンテージマンション」はこれで分かった。
 名古屋の「ヴィンテージマンション」はどんなマンションか。

 私は、最近名古屋の超高級マンションの鑑定評価を行った。
 その時ネットで調べたところ、名古屋の株式会社安江工務店という会社が、名古屋の「ヴィンテージマンション」特集記事をだしていた。

 その特集記事が位置付けた「ヴィンテージマンション」は、下記のマンションであった。

 
        イトーピア久屋マンションホワイトメイツ
        グランドメゾン白壁櫻明荘
        シャンボール山手
        パークハウス御幸山

ベルシャトー高峯 ベルシャトー南山 メゾン覚王山月宮殿 ライオンズマンション八事ガーデン 月見ガ丘マンション


 上記マンションの中には、私が鑑定評価したマンションも入っている。

 名古屋にお住まいの人は、この名古屋の「ヴィンテージマンション」と位置付けられるマンションに対して、どの様なイメージをお持ちであろうか。


 名古屋の「ヴィンテージマンション」は、下記のアドレスで見られます。(注 時間が経ったのか写真記事は閉鎖されています。記事はありませんと表示されます。2017年3月10日追記)


     http://www.mansion-project-nagoya.com/vintage_mansion.html


  鑑定コラム803)「超高級マンションの価格」

  鑑定コラム1598)「中古マンション価格が新築マンション価格を上回る?」

  鑑定コラム1614)「鑑定コラム822)「ヴィンテージマンション」が読まれている」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ