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日本銀行が日本国内銀行の2011年1年間の不動産業への新規融資額を発表した。(数値は発表された時の暫定数値であり、後日確定数値として変更される場合があります。以下同じ)
四半期 不動産業新規貸出額 対前年同期比
2011年1〜3月 24,556 △1.9
2011年4〜6月 13,740 △7.5
2011年7〜9月 19,925 △1.6
2011年10〜12月 18,603 13.2
計 76,824 0.3
日銀発表によれば、2011年の国内銀行が不動産業に新規融資した金額は、4期の金額を合計すると76,824億円である。7.68兆円である。
過去の不動産業への新規融資金額は、下記の通りである。
2006年(平成18年) 91,591億円
2007年(平成19年) 100,859億円
2008年(平成20年) 84,072億円
2009年(平成21年) 69,587億円
2010年(平成22年) 76,568億円
2011年(平成23年) 76,824億円
平成19年に10兆円の融資高を付けると、その後に急激に融資金額が減少する。
それと同じくして、土地価格の大暴落が生じた。
平成19年の10兆円の融資に象徴される不動産価格が暴騰した地価現象を、「不動産ファンドバブル」と呼ぶ。
その後の金融の引き締めによる地価暴落と共に、不動産会社、マンション業者の倒産が、平成20年、21年に大量発生した。
金融と不動産価格、不動産業の活況とは密接に関係していることが、ここでわかる。
平成23年の全産業への国内銀行の新規貸出額は、353,480億円である。35.34兆円である。
この内、不動産業への貸出金額は76,824億円である。
76,824億円
─────── = 0.217
353,480億円
全産業への新規貸出額のうち、不動産業の占める割合は21.7%である。
不動産業への貸出額の割合が大きすぎる。
又、15%以上は地価バブルに突入の割合である。
15%以下に止めるべきである。
不動産業への割合を縮めるには、他の業種への貸出額を増やし、全体の貸出額を大きくする必要がある。
最近の国内銀行の全産業への新規貸出額を記す。
2006年(平成18年) 418,873億円
2007年(平成19年) 415,501億円
2008年(平成20年) 402,968億円
2009年(平成21年) 363,458億円
2010年(平成22年) 361,235億円
2011年(平成23年) 353,480億円
全産業への新規貸出額は、減少し放しである。
平成23年は、平成18年と比較すれば6.5兆円もの貸出額が減っている。率にすれば15.6%の減少である。
これでは日本企業が元気無く、日本経済が後退するのは当然だ。
融資先が無いから融資が伸びないんだと他力本願のごとくの情けない言い訳など云わずに、もっと資金を必要とする産業・業種を探し、お金を貸し出せ。そして貸出で儲けよ。
それとも現在の銀行の頭取及び幹部は、若かりし頃、この企業は現在小さいが大きく成り、将来上場するであろうという企業の識別・目利きの厳しい訓練も受けず、その経験もせず、即ち銀行本来の業務である貸出営業の苦しい経験もせずに出世して来たのか。
お金を貸して稼ぐのが銀行の本職でないのか。
国債などを買って銀行商売をするな。銀行の名が廃る。
銀行は、不動産業への融資に頼らずに、もっと別の業種の融資先を開拓して、新規貸出額を増やせ。
鑑定コラム764)「2010年の国内銀行の不動産業への新規融資額は7.6兆円」
鑑定コラム291)「バブル時に迫る銀行の不動産業への新規貸出額」
鑑定コラム700) 「銀行ょ、もっと儲けよ」
鑑定コラム956)「直近年間不動産業への新規貸出額8兆円」
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